SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

リビルドワールドIII<下> 賞金首討伐の誘い

[著者:ナフセ/イラスト:吟/電撃の新文芸]

 ハンターにとっての『報酬』=『賞金』の価値について。依頼に対して置かれた状況や立場、関わっている状態などを含め、受け取り方や報酬額の違いの複雑さや面倒臭さを知らされる内容だったかなと思いました。

 単純明快に指定された額を気前よく払ってくれれば問題ない所、まあよく見ていればそうは行かない状況が裏で色々絡んでいる事も多いようで。

 アキラの場合は明確に『名声より多額の富』なもんで、普段はあまり自己主張しない様子な印象だけど、やはり希望通りには行かない時の不満は結構感じたりもしていました。

 あとは最後の方で、『旧世界接続者とは?』みたいな問い掛けが再浮上していたりで。アキラやカツヤの立場、アルファともう一人の存在、意味の見出せない会話内容、などは改めて疑問を抱かされるものでした。

既刊感想:I<上><下>、II<上><下>、III<上>

リビルドワールドIII<上> 埋もれた遺跡

[著者:ナフセ/イラスト:吟/電撃の新文芸]

 アキラの視点からすれば、なにかと面倒臭く絡んで来るカツヤですが、段々と『もう一人の主人公』感が増して来ているような印象もありました。

 仲間の命を救えなかった自分の行動を悔い、それは自分が弱いせいだと責めて、もっと強い力が欲しいと渇望して成長を遂げて行く……なんて辺りは、いかにも主役のヒーロー気質だなあと。

 最初からアルファの助力を得て強さを手にしながら、本来の実力が及ばない所から追い付こうとしているアキラとは、対照的な存在のようにも感じられました。

 今回は、アキラが見つけた新たな旧世界の遺跡を巡って、二人の複雑な距離感と関係性が大分近付いていたようにも見えました。全く“馬が合わない”状況が、今後変化するのかしないのか。良い方に向かうのか、それとも……注目してみたい所です。

既刊感想:I<上><下>、II<上><下>

転生したら皇帝でした4 ~生まれながらの皇帝はこの先生き残れるか~

[著者:魔石の硬さ/イラスト:柴乃櫂人/TOブックス]

 帝国内平定までの道は、思っていた以上に難儀な様子。カーマインからすれば、傀儡幼帝の皮を脱いで反逆者を公の場で断罪してみせた時点で、既に重荷を背負う覚悟は出来ていたでしょうけどね。

 今回は、反逆の一翼であるラウル軍の殲滅戦のみをガッツリと奥深く描写する展開で、事前準備を念入りに行った上での激突は、感覚的には大分慎重かつ時間をかけている風に見えていました。

 ただ、カーマインと帝国派の動きとしては、『ラウル公を討つ』と言う意味では相当に迅速かつ急性な動きの作戦だったのかな、とも思いました。一手一手を素早く的確に、しかも慎重かつ大胆に動いて、一刻も早く帝国内平定へと導かなければならない。

 カーマインには焦りも油断もありませんが、それでも従う側の『心意』と言うものはなかなか読み通すのが難しいもので。まだしばらくは戦乱の状況が落ち着き事なく続きそうな感じです。

既刊感想:

白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てますII

[著者:やしろ/イラスト:keepout/TOブックス]

 男児が起業して商売を始める、みたいな展開。多分、前世の記憶があるから色々と仕掛けられる知識も備わっているんでしょうけど、頭に描いて発案して創作して売り出すペースが半端じゃなく速い。

 その様子を見ていて、鳳蝶ってめちゃくちゃ商才はあるなあって思ったりしたんですけど、この物語の進行はそっち方面がメインで行くのでしょうかね。

 もし領主を継いでいるのであれば、もっと自由に立ち回れるんでしょうけど、無能な義理の両親が実に頭の痛い存在なもんで、これからも苦労させられそうです。

 でも、将来的に鳳蝶の望み通りに領地改革を進めるつもりなら、いずれ義理の両親との確執問題は決着をつけなければならないのかも知れません。

既刊感想:

スキル? ねぇよそんなもん! ~不遇者たちの才能開花~2

[著者:silve/イラスト:生倉のゑる/BKブックス]

 スキル? そんなもん要らない要らない。だって、主人公専用ウィキペディアこと『メニュー機能』が相変わらずチート過ぎるもの。

 ……とは言え、知識は必要でも“知識だけではどうにもならない”のもまた事実で、その点自分の力に見事に応用出来ているヒカルって、やっぱり才能あるのかな? 

 下手したら、使用者次第で宝(知識)の持ち腐れになる可能性もあるわけで、上手い事魔力操作の技能に活かせている所を見て、何となく特殊な存在である事を実感させられます。

 今回は、とある事情でアルマと共に新天地へ向かう事に。新たなパーティメンバーをゲットする展開を横目に、ちょっと気になっていたのが『勇者』と『魔王』なる存在について。

 どうも神々の『掌の上の遊戯』のような感じで、いい様に踊らされているっぽいのが何か気に食わないですが、そこは規格外のヒカルの行動で、逆に見下ろす神々を焦らせて欲しいですよね。

既刊感想: