ファルティマの夜想曲 恋するカレン

[著者:葉山透/イラスト:増田メグミ/エンターブレイン B's-LOG文庫]★

 娼婦の娘が三人の美男を翻弄してしまうお話。同時に
娼婦の娘が三人の美男に翻弄されてしまう話。主人公の
カレンが誰を想うか? 誰を選ぶか? 逆にカレンをと
りまくフィル、ルーイ、キースの美男達が彼女に何を求
めるのか? 終始興味はこの辺りに向けられていて、三
人の気持ちに対してカレンの心が迷うような、そんな展
開を想像してた。
 得体の知れない流れ者のキースに惹かれてくのか? 
とか、ルーイは立場的に表に出さないだけで密かにカレ
ンを想っているのか? などなど。でも、徐々に浮かん
で来た相関関係はもっとずっと分かり易く、至ってシン
プル。カレンが自身の恋に迷い戸惑う描写は想像通りだ
ったけど、美男三人の立ち位置が結構想像と違ってた
(こういう男女対比だから絶対奪い合うもんだとばかり
……)。最初から既に“役割”決まってたんだねぇ。
 養われている年上の娘の恋をして、その娘は毎日誰か
に抱かれる為に仕事に赴き、それでも長年想い続ける事
が出来る。フィルがどれだけ苦しく身悶えしながらカレ
ンを好きであり続けたのか、理解した時点でぶわーっと
波が襲ってきた。これは切ねぇ。堪らなく切ねぇよ……。
だから、この結末にはすげー満足。最後に報われてホン
ト良かった。