SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

そんな世界は壊してしまえ ―クオリディア・コード―

[著者:さがら総(Speakeasy)/イラスト:カントク/MF文庫J]★

 「クズと金貨のクオリディア」と繋がりがあるら
しい。どこがどうとは言い切れない。何故ならそれ
と分かるような描写がなかったから。推測で判断す
るしかないのがもどかしい。クズと金貨のラストシ
ーンが、ここで過去の惨劇となっている『大規模侵
攻』とやらなのか。朱雀の苗字は何か関係性がある
のか。クズと金貨のエピソードは誰かが冬眠中に見
た『夢』だったのかも知れないとか。その程度の事
しか捻り出せず、合ってるのかも分かりません。
 クオリディア・コードに『世界』と呼ばれる固有
能力、あまり見せ場は無かったです。人類の敵も、
今や軽く撃退出来る程度に平和だったもので。更に
読み込めば繋がりも色々見えてくるのでしょうか。

関連感想:クズと金貨のクオリディア

クズと金貨のクオリディア

[著者:さがら総渡航(Speakeasy)/イラスト:仙人掌/ダッシュエックス文庫]★

 世間に常時喧嘩を売っているような思考の腐れた
いち男子高校生がクズなのかと思いきや、実は成り
行きで関わってしまった超絶美少女の方がクズだっ
たけど、そんなクズな彼女の本性をバラして貶める
クズも存在していた、と。関わらなければ気付く事
すらなく何とも無かっただろうに、関わったばかり
に周りがクズだらけなのを知ってしまいました。
 まあ、双方向視点での感情の乱れっぷりは楽しめ
ましたが。言わんとする事がよく分からない、ハッ
キリ掴ませて貰えない物語だなと思いました。あと
がきに触れて、ようやく「ああそういう事が言いた
かったのか」と気付けました。もしかして察しが悪
いのでしょうかね? そうなのかも知れません。

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹

[著者:十文字青/イラスト:白井鋭利/オーバーラップ文庫]★★★

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)

 ちょっとだけ現実世界っぽい手掛かりが出て来た
ような気もしましたが、そもそもハルヒロ達はグリ
ムガルに来る前の記憶を失っているので気付ける筈
もありません。ただ、知らない筈の言葉を知ってい
る事や、ハルヒロの頭の中に時折浮かぶここではな
い風景など、その辺りを考慮すると現実世界のよう
な“元の世界”が存在するのは間違い無さそうなん
ですよね。ララとノノはそこへ帰る術を探している
ようですが、今の所は何なのか見当も付きません。
 生きる為に必死で新世界に順応しようともがいて
いるのに、気が付けば進む先は死に向かっているよ
うな気分でした。そして、これは一体どういう事な
んでしょう? ……どういう事なんでしょう?

既刊感想:

りゅうおうのおしごと!2

[著者:白鳥士郎/イラスト:しらび/GA文庫]★★

 今回は明確に、将棋の知識をある程度持っている
(最低限将棋を指した経験がある)状態でなければ、
理解が及ばず付いて行けない部分がありました。
 あいと天衣の対局のシーンです。これがあったの
で、本来楽しめる要素を充分に堪能出来たかどうか
と言うと、ちょっと自信がありません。こんな時は
相応の知識や経験があればな……と、望んでも無理
なのは分かっていても悔しい気持ちになるんです。
 と同時に、興味を持つ切っ掛けとなり、知る為の
足掛かりにもなります。俄かな詰め込みでどれだけ
補えるかは分かりませんが。そうすれば、もっと物
語を楽しむ事が出来るのかも知れないし、あいや八
一の気持ちに近付く事が出来るのかも知れません。

既刊感想:

りゅうおうのおしごと!

[著者:白鳥士郎/イラスト:しらび/GA文庫]★★

 将棋の事あまり知らなくても楽しめました。重要
な事です。さすがに対局時の駒の動かし方はサッパ
リでしたけど、こればかりは仕方ありませんね。
 素人置いてけぼりで、もっと専門的な要素を突っ
込んで描く事も出来たと思うんですけど、そうなら
ず素人がとっつき易い様に配慮されているのが嬉し
い所。それでいて、分かる人には作中の描写で盤面
が頭に浮かぶような作りになっているのではないか
なと。多分ですが。その辺のバランスが絶妙です。
 将棋の技能の部分よりも、将棋と向き合う時の姿
勢や感情や精神的な部分など、そう言ったものを重
視して描かれていたかなと感じました。だからルー
ルを知らなくても、それぞれの対局毎にどんな空気
で闘っているのかを肌で感じ易いのだと思います。