ラノベのプロ！ 年収２５００万円のアニメ化ラノベ作家

［著者：望公太／イラスト：しらび／富士見ファンタジア文庫］★★★

ラノベのプロ! 年収2500万円のアニメ化ラノベ作家 (ファンタジア文庫)

　プロのライトノベル作家さんが、プロのライトノ
ベル作家をネタに取り扱っていると、現実と創作の
線がどこで引かれているのか物凄く判断に悩み迷い
困ってしまいます。とは言え、勝手な詮索に躊躇い
を覚えつつ、いちいち本当なのかそうでないのかを
探りながら読むのが実は楽しかったりするんです。
　触れてみた印象としては、これってノンフィクシ
ョン度がめちゃくちゃ高くないですか？　作家活動
に関しては、１００％実体験と言い切られても信じ
てしまいそうです。コメディ寄りで料理されそうな
ネタかなぁと想像してましたが、完全に意表を突か
れました。“超”が付くほど真剣、真正面から真摯
に取り組む姿勢など、非常に素敵なものでした。

セブンキャストのひきこもり魔術王３

［著者：岬かつみ／イラスト：ｍｍｕ／富士見ファンタジア文庫］★★

セブンキャストのひきこもり魔術王3 (ファンタジア文庫)

　今回のエピソード、たとえ間延びしても構わなか
ったので、前後編構成でじっくり味わってみたかっ
たです。敵に回った『七詠唱』との戦闘が、駆け足
で作業的と感じられたのが少々残念な所でした。
　ただ、一冊に収まるよう考えられて凝縮されてい
たと言うのは伝わって来ましたし、テンポの良さに
面白みを見出して物語を味わうには充分な内容だっ
たのではないかなと思います。良い部分を総取りす
る、とは行かないのがなかなか難しい所ですね。
　イアンの事も尺があればもっと掘り下げる事が出
来たのかなあと。でも、彼絡みの伏線の貼り方と回
収の仕方は絶妙な巧さで唸らされました。これは絶
対に最初へ戻って読み返してみたくなりますよ。

既刊感想：１、２