[著者:霧舎巧/イラスト:西村博之/講談社ノベルス]
「大体何ページくらいだろうな?」と小説手に取った時気にするのは、どうも私にとっては癖みたいなもんで。
シリーズ作品の場合だと「前巻より厚めだな」とか「ちょっと薄いかも」なんて読み始める前に目分量で比較するのもよくある事で。今回も同様にそうやって「七月」と同じくらいか〜、と思ったのだけど、総ページ数を把握して抱いた「あれっ?」という違和感。
この“違和感”の正体が物語終盤で判明した時、トリック仕込むのに「うわ〜ここまでやるのか〜」って呆れる程に、ホント凄ぇなぁと思わされた。あと琴葉のグラビアも単なる読者サービスかと思ってたら……という辺りもなかなか良かった。
でも、これまでは大抵わだかまりも引っ掛かりも躓きもなくスッキリ気持ちよく終われてたのだけど、今回は何かちょっと……色々投げっ放しで済まされてしまったような感じだったかも。保が辿り着いた解答って結局誤答だったと思うんだけど、ハッキリそうだと分かる前に有耶無耶なまま幕切れてしまったし。日辻先生についても、彼女にとってのあの人がああなっちゃたのに、感情的な部分に殆ど触れてくれない展開はどうも受け入れ難かったりするんだよなぁ。
最後の最後で好みな部分が急速に萎んでしまって残念。
既刊感想:四月は霧の00密室
五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し
六月はイニシャルトークDE連続誘拐
七月は織姫と彦星の交換殺人