SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

小説感想

絶叫

[著者:葉真中顕/光文社]絶叫 (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 最初から最後まで、『被害者・鈴木陽子の物語』だったような気がします。刑事である奥貫綾乃が鈴木陽子の不審死の謎を追う展開を持ちながらも、やはり過去からの生涯をこと細かく描…

ハンチバック

[著者:市川沙央/文藝春秋]ハンチバック (文春e-book)作者:市川 沙央文藝春秋Amazon 自分で読んでみて、どうにも物語に込められた著者の意図を理解出来た気がしなかったので、『ハンチバック 解説』とか検索かけて頼る事にしました。 その結果、「読む人…

体育館の殺人

[著者:青崎有吾/東京創元社]体育館の殺人 〈裏染天馬〉シリーズ (創元推理文庫)作者:青崎 有吾東京創元社Amazon この例えが適切かどうか、言って伝わるかどうかは分からないんですが……読んでいて思い浮かんだのは『金田一少年の事件簿』的なやつで。 ク…

Blue

[著者:葉真中顕/光文社]Blue(ブルー) (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 『平成の時代』を色濃く反映させた物語。特に音楽の歌詞や政治情勢などはリアルに盛り込まれていて、世代によってはこの世界観にドハマりしそうな雰囲気だったなあって印…

ロスト・ケア

[著者:葉真中顕/光文社]ロスト・ケア (光文社文庫)作者:葉真中 顕光文社Amazon 高齢化社会、在宅介護、介護業界の闇、高齢者の貧富格差、などなど。フィクションと注釈を入れられたとしても、どうしても現実社会のリアルと重なる部分で「これはノンフィ…

稲荷山誠造 明日は晴れか

[著者:香住泰/ディスカヴァー・トゥエンティワン]稲荷山誠造 明日は晴れか (本のサナギ賞受賞作)作者:香住泰ディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 絶縁状態の娘が行方不明と知らされたおじいちゃん、その言づてを持ってきた孫と一緒に手掛かり不足な…

逃亡刑事

[著者:中山七里/PHP研究所]逃亡刑事 (PHP文芸文庫)作者:中山 七里PHP研究所Amazon 同じ署内の刑事が別の部下の刑事を射殺した証拠を掴むも、真犯人に罠にはめられ冤罪の濡れ衣を着せられ逃亡を図って反撃の機をうかがう、と言う展開。 味方のはずの県警…

アマテラスの暗号

[著者:伊勢谷武/廣済堂出版]アマテラスの暗号 〈歴史ミステリー小説〉作者:伊勢谷 武Amazon 「興味が薄くて必要な知識も乏しいジャンルに触れたらどう感じるだろうか?」みたいな気持ちで手にとって読んみました。興味の有無はさておき、知識がない所で…

ぎんなみ商店街の事件簿 ~Sister編~

[著者:井上真偽/小学館]ぎんなみ商店街の事件簿 ~Sister編~作者:井上真偽小学館Amazon 前に読んだ『Brother編』の対となるお話で、商店街の串焼き屋の三姉妹が『Brother編』と同じ事件の謎を別の視点や立場から追って行く、と言う…

ぎんなみ商店街の事件簿 ~Brother編~

[著者:井上真偽/小学館]ぎんなみ商店街の事件簿 ~Brother編~作者:井上真偽小学館Amazon この物語単体では、小規模な商店街のある町に住む四兄弟が、日常からはみ出したちょっとした事件の謎を追って解決して行くものに過ぎない。真価を発揮する…

推しの殺人

[著者:遠藤かたる/宝島社]推しの殺人 (宝島社文庫)作者:遠藤かたる宝島社Amazon 被害者の事務所社長は相当のクズで、陰で所属アイドルへの脅迫に暴行、さらに薬物使用の疑いもある。素直に自首していれば情状酌量の余地もあっただろうに。たとえバレなか…

幸せジャンクション キャンピングカーが運んだ小さな奇跡

[著者:香住泰/ディスカヴァー・トゥエンティワン]幸せジャンクション ──キャンピングカーが運んだ小さな奇跡作者:香住泰ディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon 前触れもなく理不尽な失職を喰らって、社長から餞別代りにキャンピングカーを一方的かつ強…

死にたがりの君に贈る物語

[著者:綾崎隼/ポプラ文庫]死にたがりの君に贈る物語 (ポプラ文庫 あ 17-1)作者:綾崎 隼ポプラ社Amazon 単行本では既読(と言うのを忘れていて文庫版を買っちゃって、読んでからも途中まで忘れていてようやく再読している事に気付く)。 以前読んだ時も強…

変な家2 ~11の間取り図~

[著者:雨穴/飛鳥新社]変な家2 ~11の間取り図~作者:雨穴飛鳥新社Amazon 『11の家の間取り』が11個の“パズルのピース”で、それらを繋ぎ合わせて完成した『一枚絵』が“繋がりの真相”と表現すれば、物語の全体図をイメージし易いのかも。 11の家の間取りが…

可燃物

[著者:米澤穂信/文藝春秋]可燃物 (文春e-book)作者:米澤 穂信文藝春秋Amazon 警察機関が事件の捜査を重ねて『これが真相に間違いない』と確定させようとする寸前で、常に冷静冷淡に違和感を嗅ぎつけ「待った」を突き付けて、誤った確定事項をことごとく…

アリアドネの声

[著者:井上真偽/幻冬舎]アリアドネの声 (幻冬舎単行本)作者:井上真偽幻冬舎Amazon ラストシーンに仕掛けられていた、とある“どんでん返し”の一幕、途中でピンと来た人ならもしかしたら気付けたのかなあ。私はその仕掛けられていた方向の“可能性”にはラス…

好きです、死んでください

[著者:中村あき/双葉社]好きです、死んでください作者:中村あき双葉社Amazon 『恋愛リアリティショー』×『密室殺人劇』の題目。無人島に集められた少数の演者とスタッフ達が、ネット配信の恋愛劇と疑似殺人劇の掛け合わせの物語を創作して行く中で、真の…

この銀盤を君と跳ぶ

[著者:綾崎隼/KADOKAWA]この銀盤を君と跳ぶ (角川書店単行本)作者:綾崎 隼KADOKAWAAmazon 二人の天才女子フィギュアスケーターのノンフィクション、と言い切ってしまったら言い過ぎかな? でも、個人的には過言ではないと断言出来るくらい、素晴らしくリ…

レーエンデ国物語

[著者:多崎礼/講談社]レーエンデ国物語作者:多崎礼講談社Amazon 『レーエンデ国の歴史に深く関わった人達の物語』なのでしょうかね。この終章を振り返ってみて、ひとりの主人公がシリーズを通して描かれ続けるのではない、と気付かされた時点で「これは…

変な絵

[著者:雨穴/双葉社]変な絵作者:雨穴双葉社Amazon 『変な絵』にまつわる不可思議な話を集めた短編集かと思いきや、章を読み進めるごとに新たな人間関係性が複雑に絡み合い、やがてひとつの大きな『真実』へとつながって行く。 この『変な絵』を題材に、至…

となりのナースエイド

[著者:知念実希人/KADOKAWA]となりのナースエイド (角川文庫)作者:知念 実希人KADOKAWAAmazon 医療現場での立場の違う二人を中心とした人間関係のドラマと、主人公・桜庭澪に隠された『謎』から発せられるミステリ要素とが融合し絶妙な噛み合いを見せて…

ある閉ざされた雪の山荘で

[著者:東野圭吾/講談社]ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)作者:東野 圭吾講談社Amazon 実際には『閉ざされて』はいないし『雪の山荘』でもないのに、いつの間にかそうだと信じ込ませるような誘導のさせ方があまりに見事過ぎでした。 七人の参加者達…

レモンと殺人鬼

[著者:くわがきあゆ/宝島社]レモンと殺人鬼 (宝島社文庫)作者:くわがきあゆ宝島社Amazon 一番主張したかったのは『人の顔には誰でも“裏”がある』だったんでしょうかね。思い返してみれば、主人公の美桜も含め、主要登場人物のほぼ全員が表向きのイメージ…

儚い羊たちの祝宴

[著者:米澤穂信/新潮社]儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)作者:米澤 穂信新潮社Amazon 『大どんでん返し! 5連発』とか言う帯の文句に釣られた結果、「帯の文句は鵜呑みにするもんじゃない」と言う教訓を得ました(そこから勝手に中身を想像したのはこっち…

教室に並んだ背表紙

[著者:相沢沙呼/集英社]教室に並んだ背表紙 (集英社文庫)作者:相沢沙呼集英社Amazon とある司書先生と図書室と本の出会いが、少女達の抱える様々な悩みを解きほぐして行く。 大体がもやもやしたものか、胸くそ悪いものか、学校での人間関係(本書の場合…

神様の裏の顔

[著者:藤崎翔/KADOKAWA]神様の裏の顔 (角川文庫)作者:藤崎 翔KADOKAWAAmazon 善人のかたまりのようだった故人が、通夜の場で関係者から次々に『裏の顔=極悪人』の疑惑を暴露されてしまう。 死人に口なしのごとく、たとえ事実でも虚偽でも死んでいるから…

リーガルーキーズ! ―半熟法律家の事件簿―

[著者:織守きょうや/新潮社]リーガルーキーズ!―半熟法律家の事件簿―(新潮文庫)作者:織守きょうや新潮社Amazon 司法試験に合格したらすぐに法律家として活動出来るわけじゃないのかあ、ってのが物知らずには意外な事実として最初に見えた事で。 法律家…

檸檬先生

[著者:珠川こおり/講談社]檸檬先生 (講談社文庫)作者:珠川こおり講談社Amazon 他人には理解出来ない『特別な感覚』を持っている事による“息苦しさ”を、嫌と言うほど味わわされる。どれだけ抵抗して説明しようとしても伝わらず、さらに相手は自分と同じ小…

アイアムマイヒーロー!

[著者:鯨井あめ/講談社]アイアムマイヒーロー! (講談社文庫)作者:鯨井あめ講談社Amazon タイムスリップして、過去に存在しないはずの少年の中に成人した自分の意識が入り込み、その謎の存在と『本当の少年時代の自分自身』が関りを持つ事になる。 大人…

私が先生を殺した

[著者:桜井美奈/小学館]私が先生を殺した (小学館文庫)作者:桜井美奈小学館Amazon 『学校の教師』って、そんな夢も希望もない真っ黒に染まった職種なんかではないだろう……。と、本書を読んで思い込みたかったのは、実はもの凄く現実社会であり得そうな、…