[著者:須賀しのぶ/イラスト:駒田絹/コバルト文庫]★★
シリーズ第4巻(悔しいので○○巻とは書かないのがせめてもの抵抗)。「一冊でよくぞここまで巧く纏めてくれた!」、という気持ちと「ああ……巧く纏まってしまっちゃったか……」という気持ちが半々くらいで、非常に複雑な読後感だったなぁ。
多分に希望が込められたエピローグで感無量だったんだけど、この巻だけで実質(最低でも)5冊分以上の重みがあったと思うよ。有紗の命、湊の暴走、敷島との真実の対話、覚野との触れ合い、陽菜の孵化、そして人間とアンゲルゼとの関わりと未来……これらを含め幾つもの大切な要素を、駆け足気味にしか触れる事が出来なかったのが本当に残念でならない。でも、何やら再会の機会はあるようなので、今度はそちらを楽しみに待ってみたいと思う。
既刊感想:孵らぬ者たちの箱庭
最後の夏
ひびわれた世界と少年の恋
アンゲルゼ(永遠の君に誓う)
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須賀しのぶ 集英社 2008年12月