常敗将軍、また敗れる

[著者:北条新九郎/イラスト:伊藤宗一/HJ文庫]★★★

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

 第11回HJ文庫大賞『大賞』受賞作。

 ダーカス自身と深く関わらなければ彼の本質は
決して見えて来なくて、けれども大多数の人達は
彼の表面上の噂と不名誉な称号しか見えていない
為、ダーカスの思うがままに踊らされてしまう。
 最初の頃は武人としても策謀家としても凄味な
んて全然感じられなくて、頼りなさそうだなあと
思っていたものですが、周囲の反発を物ともせず
思惑通りに事が運ぶ度に、じわりじわりと得体の
知れない凄味が増して行くような感じでした。
 思い通りに負ける事ほど難しいものは無い……
負ける事で好転する状況にこそあえて深く踏み込
んでいるのかどうか。彼が途中で幾度も口にして
いた“本心”と言う言葉がとても印象的でした。