SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

佐々木とピーちゃん5 裏切り、謀略、クーデター!異世界では王家の跡目争いが大決着 ~現代は待望の日常回、ただし、ハードモードの模様~

[著者:ぶんころり/イラスト:カントク/MF文庫J]

 前回までのあらすじを読んだだけで、頭がくらくらする程に混沌としてるなあと改めて思わされました。最初の頃はピーちゃんと出会って、異世界間往復生活と個人貿易商人で荒稼ぎ生活のみの、割と単純行動だったのにどうしてこうなった……と言った具合です。

 現代と異世界が影響を受け合っているようで、実は佐々木はそれぞれの世界で独立した問題に直面している、だから『こっちが解決すればあっちも解決』とは行かず、両世界で色んな厄介事を抱えているように見えてしまうんですよね。結果として「佐々木は一体どこに向かおうとしているんだ」となるわけです。

 今回は異世界イベントが濃いめで、佐々木とピーちゃんが深く関わっていた王位継承問題に決着がつきます。とは言え『万事めでたし』とはならず、それでも佐々木が気にかけていた案件が一応は片付いた事で、ひとつ肩の荷が下りたんじゃないかなあと。

 残った問題も色々ありましたが、終盤の流れからして次は現代側の、しかも佐々木の全く身に覚えのない問題に関わって行きそう。一難去ってまた一難、佐々木に真の平穏はまだまだ遠い事のようです。

既刊感想:

俺は星間国家の悪徳領主!5

[著者:三嶋与夢/イラスト:高峰ナダレ/オーバーラップ文庫]

 帝国の後継者争いの渦中に火を放り込んだ為、話の規模が一気に広がった印象の今回。リアムが本気で『第三皇子・クレオを皇帝にする』と宣言したならば、将来的には達成される事が約束されたと思っていて間違いないでしょう。

 今回の第二皇子が相手にもならないのは最初から分かっていた事で、どうやってリアムの掌の上で愉快に踊ってくれるのか、を眺めているのが楽しみ方としては間違っていないと思います。皇太子や皇帝と事を構えるのは『長期戦になるだろう』とリアムが言っていたので、この先は第三皇子を皇位に就かせるまでじっくり進んで行くのかも知れません。

 あとは、リアム周りの女性関係が何となく気になっている所で。とは言っても「女遊びを求めていても、結局いざ場を設けても乗り気にならないでしょ」って言いたくなる程、リアムは女性付き合いに本気になれなさそうですけどね。

 そんな中、一時の気の迷いで間違いを犯してしまったクルトの感情はどうなるのか。物語の本筋と深く絡んで来るかは分かりませんが、それはそれとしてリアムとの行方が色々気になる所です。

既刊感想:

薬屋のひとりごと12

[著者:日向夏/イラスト:しのとうこ/ヒーロー文庫]

 西都編の解決編。西都を統治していた玉鶯の後継者問題から発せられた謎が、容赦なく次々と猫猫に襲い掛かる。相変わらずの“巻き込まれ体質”を発揮してましたが、今回に関しては相当にやばい命の綱渡り状態だったと思います。

 猫猫の場合、どんな局面でも意外と何とかなっているから誤解しがちですが、頭脳は卓越していても腕力的な攻撃力はほとんど無いので、『周囲の助力』があってこそ難局突破出来ているわけです。

 そう言った点で、今回は周囲から完全にはぐれ、頼りの任氏も離れて即座に助けには行けず、拉致した相手は殺す気満々で、想像以上の危機的状況でした。さすがに「でも猫猫なら大丈夫でしょ?」と言える雰囲気ではなくて、任氏の胸中を思うと「もう少し自重して欲しいなあ」と思ってしまいますよね。

 任氏としては、もしかしたら立ち会わずにいて幸いだったような気もします。と言うのも、もし彼が猫猫の事件現場にに居合わせていたら、理性が抑え切れていたかどうか分からなかったので。猫猫は任氏の性質をよく理解しているので、死にかけた辺りの詳しい所までは語らずに伏せたのかも知れません。

既刊感想:1011

転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件5

[著者:雲雀湯/イラスト:シソ/角川スニーカー文庫]

 沙紀がめちゃくちゃ“強い”です。隼人が春希一筋なのは絶対に揺るがない、と思ってたんですが、沙紀への意識が高まりまくっていて相当ぐらついてるっぽい。

 隼人って、現在の春希との『距離感』をずっと掴み切れないままで(これは春希も同様に)、それでも何だかんだ春希への強い思いを抱いているのは間違いないんですけどね(これもまた春希の方も同様に)。

 でも、沙紀の気持ちがすっと隼人の懐に入り込むように、存在感と影響力が凄まじい勢いで増している感じがしました。無理なく自然に、隼人の事を本当に一途に思う様子が素直に伝わって来るから、春希が本命でもちょっと沙紀を応援したくなっちゃいますよね。

 なんか春希の方は、母親と芸能界の事で精神面を圧迫する事が度々起こっていて、どうしても隼人以外の所に心が向いて疲れている所は、やっぱり今後の展開での影響が気になってしまいます。

既刊感想:

転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件4

[著者:雲雀湯/イラスト:シソ/角川スニーカー文庫]

 みんなが何かしらの複雑な過去と事情を抱え込んでいて、誰かがそれぞれの心の領域に踏み込もうとする事で、過去の影響が戸惑いやざわついた落ち着かない気持ちを引き起こしてしまう。

 田舎の月野瀬に帰郷した事で、隼人と春希の心により強い過去からの『声』が響いてしまっていたような印象でした。それが良かったのか悪かったのか、どちらとも言えない何とも言えない空気感で、時折息が詰まるようなもどかしさも感じたりしました。

 読む前の予想では、沙紀の隼人に対する思いと、沙紀の思いに気付いている春希の思いが複雑に絡んだ展開がメインになるかと思ってたんですけど……。実際には春希と沙紀の関係は、隼人を思う気持ちを互いに知りながらも極めて良好で、ほとんど面倒にこじれなかったのは意外だったかなあと。

 もっと根本的な根深い過去の心の痛みが、ねっとりと重く絡み付くような、特に春希は嫌な形で影響を受けていたように映りました。この辺りの春希の事は、たまに偶然表面化して精神が崩れそうになるのがずっと気になってるんですよね……。

既刊感想: