SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

魔導GPXウィザード・フォーミュラ02

[著者:竹井10日/イラスト:魔太郎/角川スニーカー文庫]★★

魔導GPXウィザード・フォーミュラ02 (角川スニーカー文庫)

魔導GPXウィザード・フォーミュラ02 (角川スニーカー文庫)

 相変わらず「超高速レース中の車内で何やってん
すか」的なイカレた設定の内容はインパクト抜群で
した。ただ、今回はやたらと各人の魔王と戦ってい
た時期の過去回想が絡んでいたりして、密着エロエ
ロヌチャヌチャカーレース描写を大いに期待してい
た身としては、ちょっと食い足りない印象でした。
 しかも、過去回想のエピソードが物凄く面白そう
なんですよね。そのせいでレース要素が割を食って
しまった程で。メインからは大分離れてしまうとし
ても、外伝の位置付けで見てみたかったかなあ。
 物語は短期決着と言うわけで、疾走感は確かにあ
りましたけど、その駆け足が打ち切りの影響による
ものだとすると、切ないものがありますね……。

既刊感想:

はぐれ魔導教士の無限英雄方程式2 世界から彼女が消える日

[著者:原雷火/イラスト:ポップキュン/ファミ通文庫]★★

はぐれ魔導教士の無限英雄方程式2 世界から彼女が消える日 (ファミ通文庫)

はぐれ魔導教士の無限英雄方程式2 世界から彼女が消える日 (ファミ通文庫)

 カイは二人の弟子を育成しながら、未知なる魔法
の研究を行う事で知的欲求を満たそうとしているん
だったかな? 今回は弟子育成にしても魔法理論の
展開にしても、少々盛り込みが物足りないというか、
まあ正確にはそれ所じゃなかったわけですけど。
 一応カイの個人授業による修練シーンはありまし
たが、とにかく横槍が色々入ってしまい、じっくり
腰を据えてリリィとローザに魔法知識を伝授しつつ
育成するという感じにはなり難かったかもですね。
 その代わり『異形種』について、これまでより更
に詳しい情報が得られたのが収穫でした。未だ実態
に謎は多いですが、白と黒の融合の力を極めて行く
過程で、徐々に明かされて行くのかも知れません。

既刊感想:

二周目の僕は君と恋をする

[著者:瑞智士記/イラスト:和遥キナファミ通文庫]★★

 茉莉が原因不明のまま消失した事に対して、崇希
と同調して「何故?」を追っている時間が一番楽し
めていたのかも知れません。何でしょうね、この終
わりを迎えた筈なのに、どうにもスッキリさせて貰
えないもやもやした感覚が残る微妙さってのは。
 崇希に備わっていると思われたものが、実は茉莉
の方にこそ備わっていて、彼女が行使するのに引き
摺られるように崇希にもそれが出来るようになった
って事なんでしょうか? あえて曖昧な表現で仕上
げているように感じられましたが、崇希の“思いの
強さ”で実現したものだと捉えるべきなのでしょう
かね。ただ、過去を変えても未来には向かってくれ
なかったので、結局そこが不満だったのかなあ。

僕の珈琲店には小さな魔法使いが居候している

[著者:手島史詞/イラスト:烏羽雨/ファミ通文庫]★★★

 どう見ても一見さんが足を踏み入れるのを躊躇っ
てしまうような個人経営の珈琲店で、しかも店長が
閑古鳥鳴いてても構わない的姿勢なもんで、それが
入り難さを助長しているような具合なんですね。
 庄太郎もそうですけど、バイトの身である篤志も、
もっと集客力を上げるような経営努力した方がいい
のでは? と思いつつ、実は少数常連客のみで形成
されているこの穏やかな空間は、あえて努力しない
からこその成果なのだろうか? と考えたりもしま
した。まあ給料払えて経営が成り立っているなら、
断然今の雰囲気のままでいて欲しいですけどね。
 ちょっとした魔法と非日常と癒しの空間と、最後
の救いのある結末。とても満足させて貰えました。