SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

異世界チートサバイバル飯 食べて、強くなって、また食べる

[著者:赤石赫々/イラスト:東西/富士見ファンタジア文庫]★★

 “食べた分だけ強くなる”が強調されているよう
なあらすじでしたけど。実際には吸収した能力の発
現に当たり外れがあって、チートと言う程の恩恵を
受けている感じではなかったような気もしました。
 どんどん食ってどんどん吸収して持て余す程に雑
多な能力を入手して管理し切れなくなる……と言う
展開を予想していたのですが、大分違ってました。
 悠の中では能力入手はあくまで二次的な付加要素
に過ぎず、最も興味を抱いているのは“食材への興
味と食べる事への欲求”なんですよね。本当にここ
が強調されていて、凶暴な異世界生物達と対峙出来
たのも、根底に生きる事への執着と同等に食に対す
る欲求が強く流れていたからなのかも知れません。

モンスター・ファクトリー3 ―左遷騎士と交易のエルフ姉妹―

[著者:アロハ座長/イラスト:夜ノみつき/富士見ファンタジア文庫]★★

 エルフの里のお話、半分だけじゃなくて一冊丸ご
との方が良かったなあ。コータスと真竜の子チェル
ナの身を一時的に隠す為で、主にエルフの里で物々
交換くらいしかやることも無かったでしょうけど。
 世界樹の浸食の話がもうちょっと広がってくれれ
ば、とも思いました。シルヴィとリエルのエルフ姉
妹が存在感あったので、軽く絡んだ程度でお別れし
たのは少々惜しい気持ちでした。あんまり外界との
交流も盛んではないようですが、機会があればまた
コータスやレスカ達と関わらせて欲しいですよね。
 後半は魔物の集団進化のお話。突然変異が悪い方
へ行く気もしてたのですが……大して動じない辺り
は流石に魔物との付き合いが深いだけあります。

既刊感想:

デュシア・クロニクル 十二騎士団の反逆軍師II

[著者:大黒尚人/イラスト:ゆらん/富士見ファンタジア文庫]★

 何でエルザイム王国とグラニヤ帝国は戦争やって
るんだっけ? と言う根本的な疑問。侵略して来る
から抗戦しているのは確かなのですが、そこに意義
があんまり乗っかっていないような。国として何故
戦争を起こさなければならないのか、もう一つ伝わ
って来ない手応えでした。今回で言うなら、何の為
にテリナス攻防戦をやっていたのか、って所です。
 何となく個人事情で大規模な戦況が容易く動いて
いるような、そんな感じなんですよね。シオンや敵
方のクヨウの言動に多大な影響力はあると思います
が、それだけで国同士が戦いを仕掛けられるわけで
もないでしょうし。ローゼリア王女や敵の皇帝など、
大きな権力者の思惑などがもっと聞ければなと。

既刊感想:

オール・ジョブ・ザ・ワールド2

[著者:百瀬祐一郎/イラスト:ヤスダスズヒト富士見ファンタジア文庫]★★

 もうすっかり『職業・遊び人』の状況にも慣れ切
ってしまったようで、身から出た錆で借金こしらえ
て借金取りに命狙われひいひい言ってる割に、案外
余裕あるじゃないか、とホールデンを眺めつつ思っ
たりしました。何か日々楽しそうに生きてるよな。
 そこら辺は遊び人らしい? 何やっても滑稽で楽
観的に映ってしまうものなのかも。新スキル『覗き
見』は超便利だし、好意持たれてる女の子は傍に居
るし、おまけに超人気アイドルともお近づきになれ
たり、職業選択の自由を強制的に奪われたホールデ
ンの不憫不遇さは大分薄らいだような印象でした。
 今回は“ジゴロ”が思わぬ大活躍だったので、表
の顔としては複雑な心境だったかも知れませんね。

既刊感想:

魔王は服の着方がわからない2

[著者:長岡マキ子/企画協力・監修:MB/イラスト:U35/富士見ファンタジア文庫]★★

魔王は服の着方がわからない2 (ファンタジア文庫)

魔王は服の着方がわからない2 (ファンタジア文庫)

 ファッションコーディネートの要素に偏り過ぎる
と、どうしてもストーリー展開の方が大雑把になっ
てしまう問題を抱えてしまいますね。ユニクロ、G
U、手頃でよく利用するので前巻同様に成る程と思
う所があり、実生活で参考になる事も多いです。
 ただ、ファッションの話に引き込まれるほど、物
語における異世界魔王設定だとか三角関係の恋愛だ
とか、そう言った要素に物足りなさを感じてしまう
もどかしさがあります。何よりもファッション語り
が最優先で最前に来てしまう為、他があっさりに感
じてしまうのも仕方のない所なのかも知れません。
 逆にすると今度はファッションの話が薄まりそう
ですし、挑戦的な意欲作ながら両立は難しいなと。

既刊感想: