SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

DDD1

[著者:奈須きのこ/イラスト:こやまひろかず/講談社BOX]★

 何となく、一般人を探してみた。が、やっぱりというのか想像通りというのか、前後左右上下の何処を見渡しても、一般人なんてものは存在してなかった(それらしく見えていたのはキリスくらいなもんか?

 でも彼はまだ本質を見せていない)。どうしようもないくらい理解させられた事……異常と相対するには、相対する側も同等以上の異常を有していなければならない。また、一見して一般人のようであっても、異常と関わっているならばその存在も異常と看做すべきだろう、と(一応ツラヌイの事を指して言ってみた)。

 そんな印象の物語。多分まだまだ本気じゃない。ストーリー展開も、登場人物達も全然本気を見せていない。まずは小手調べ。読み手を無理なく誘い入れる様に。死線の最前に突っ立っているアリカでさえも余裕綽々。“精神的に最強”であるので、本当の意味で彼が余裕を失う事は無いのかも知れないけれど……今回と比べ物にならない程の凶悪な悪魔憑きが現れたら、せめて表向きだけでも激しくのた打ち回ってくれるだろうか? 追い詰められてくれるだろうか? そうすれば、本気を出してみせてくれるだろうか?