SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ダイス・マカブル 〜definitional random field〜 02.表裏の接断

[著者:草木野鎖/イラスト:ふしみ彩香/MF文庫J]★★

 何かの選択時に、必ず“最も低確率の事象を引き
当てる”能力を持つ主人公・鬼灯灰斗。彼自身は周
囲に不幸を撒き散らす呪われた力だと言っていて、
事実望まずに何者かに植え付けられた能力らしいの
で、物語の中でも負のイメージが強い印象です。
 今回は灰斗の過去や低確率を選び取る『否運』に
ついて、まだ明かされていなかったほぼ全ての謎が
解かれましたね。“低確率を確実に引く”だけでは、
周囲を不幸にするという発言にあまり納得出来てい
なかったのですが、全部知って成る程納得でした。
 確かにこれは塞ぎ込みますわ。病みますわ。他人
と関わりたくなくなりますわー。と思いました。と
同時に、莉子は灰斗にとって本当に救いとなる存在
なんだなぁと強く感じました。義妹の蓮華や莉子の
姉の率も多大な支えになってくれていて、その影響
で他人を遠ざける灰斗の心が少しずつ開かれてゆく
行く姿が良い感じで描かれているんですよね。

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