[著者:友麻碧/イラスト:Laruha/富士見L文庫]★★★
まるで田舎の夜祭りのような風景
ふっ、と頭の中に思い浮かんだイメージとしての『隠世』。実際の隠世はもっと賑やかだったかな? 人の気配の無い夜祭りの片隅から、ふと煌びやかな夜の風景の異世界に迷い込んだような、そんな幻想的な情景が凄く魅力的に描かれています。死してなお損なわれない存在感
これだけ現世にも隠世にも、良くも悪くも多大な影響を与えた葵の祖父・津場木史郎って、どんな生き様だったんだろう? 伝聞でしか知る事が出来ないけれど、まだ色々な妖怪と縁を持っていそうですよね。祖父を通じて距離を縮めて行く
初っ端から葵に反抗心剥き出しで、「絶対分かり合えない!」と匙を投げた相手と、少しずつ互いに理解し合って行く所なんかは凄くいいなって。雪女とか土蜘蛛とかね。葵が今度離れで料理屋開いたら、また誰かに反抗受けたりするのかなあ。過去に葵に食事を恵んでくれた妖怪は?
話の流れから大旦那様だとは思うのだけど、どうだろうか。若旦那の銀次も絡んでいて、葵が忘れているらしい“何か”を知っている。その状況と“何か”は凄く気になる。でも、しばらくは明かされないかな。あやかしお宿に嫁入りします。
posted with ヨメレバ
友麻碧 KADOKAWA 2015年04月10日