［著者：コクトー／イラスト：北熊／ＨＪ文庫］★
勝手に召喚されて一方的に勇者の役割を押し付け られたり、挙句に幼馴染みの相方を死地に追いやら れたり。とことん相手側の印象が悪いので、鳴と真 那が過剰に嫌悪を露にするような反抗口調になって しまうのも無理の無い事か。ちょっと生意気さが鼻 に付いたりもしたのですが、王国上層と騎士団のキ ナ臭さを早急に察知していたのかも知れませんね。 鳴が罠にはめられてからは、ただひたすらにモン スターのスキルを喰いまくるのみ。しかし生き延び るのに必要とは言えあまりに多種多量摂取だったも んで、結局多くが持ち腐れたり持て余したりするん じゃないかとか、ステータス管理が面倒臭いんじゃ ないかとか、余計な心配ばかりしてしまいました。
［著者：榎本快晴／イラスト：しゅがお／角川スニーカー文庫］★★
齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 ~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~ (角川スニーカー文庫)
人は外見だけでは本質を判断出来ない……とは言 うものの、初対面での判断材料は外見の印象が多く を占めるのも確かな事で。まあこの物語の対象は人 間ではなくドラゴンですけど、人間とは桁違いに外 見がモノを言う存在であって、その強固なイメージ を覆してまで本質を見抜くのは難儀でしょうね。 邪竜レーヴェンディア（と強制認識されてしまっ た）人畜無害の草食ドラゴンには、この生贄との出 逢いは「ただただ不運なだけだった」と飲み込むし かないですよ。だってドラゴンの話まともに聞いて くれないんだもん。前日譚からして余りに特殊過ぎ るレーコの存在が描かれていましたが、結局この娘 は何者なの？ って疑問は当然ながら残りました。
［著者：しめさば／イラスト：ぶーた／角川スニーカー文庫］★★★
吉田と沙優の、何て言ったらいいのか表現に悩ん だり迷ったりさせられるような奇妙な関係を眺めつ つ、途中の橋本の「惚れるのと自分の好みは別物」 と言う台詞が幾度も頭を過ぎったりしていました。 吉田が頑なに沙優を抱くのを拒絶しているのは、 ただ単に自分の好みから外れているので眼中に無い からのようで、それは終盤で沙優が迫った時も変わ らなかったので、まあそうなのかなと。身体の一部 が反応してしまうのは男の自然現象と言う事で。 この状況で引っ掛かったのがつまり前述の橋本の 言葉で。自分の好みでなくとも惚れる事があるのな らば、吉田が沙優に対してそうなる可能性もあるの かなと。まあ現状不安定過ぎて見通せませんけど。
［著者：三萩せんや／イラスト：三弥カズトモ／角川スニーカー文庫］★★
拝啓、最果ての勇者様へ ~竜王の姫とめぐる旅~ (角川スニーカー文庫)
初っ端からエグい場面に遭遇してしまって、それ がまた身構えもしない内から不意打ちの如く飛び込 んで来たもんで、取り乱し方が半端なかったです。 アルノスのポストマン業務を通じて最も明確に映 ったのは、人間と魔族の確執の火種は戦争が終結し てなお相当根深く残っていると言う事。どんな風に 情勢が変化したのかまでは詳しく語られていません でしたが、手を取り合って共存するような、エリヤ が描く理想には残念ながら程遠い現実でしたね。 アルノスとエリヤの関係性は、その理想が形にな ったものなのかなと思ったりしました。ただ、アル ノスはまだ魔族殲滅の密命と聖剣を完全に手放した わけではなく、その辺りの影響が気になる所です。
［著者：うみ／イラスト：ＮＡＮＡ／角川スニーカー文庫］★★
格安温泉宿を立て直そうとしたらハーレム状態になったんだけど全員人外なんだ (角川スニーカー文庫)
第２回カクヨムＷｅｂ小説コンテスト『特別賞』受賞作。 出逢った直後から何故か女の子達の好感度がもれ なくＭＡＸ状態、次々にフラグを立てまくる、唐突 なラッキースケベの連発、清々しいまでの典型的な ハーレムエロコメでした。まあタイトルからも察せ られてましたが、ここまでシンプルでどストレート だと、良し悪しは別として非常に分かり易いです。 あまりに皆が好意的かつ従順過ぎるもんで、一人 くらいは勇人に対して反発や不審を抱くキャラが居 てもよかったのかな、とか思いましたけど。その辺 は全員人外キャラだから人間とは感性が違う、とか 無理矢理思い込めば納得出来なくもないのかなあ。 ヒロイン三人ってのにはちょっと異議あり。ユミ とトミー姐さんもヒロイン枠には含めて欲しい。
