SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫

[著者:岩井恭平/イラスト:れい亜/角川スニーカー文庫]★★

 異世界人(地球人)側に時間がない故に強引に事
を押し進めざるを得ず、それがリオランド王国と敵
対関係になってしまった要因なのでしょうかねえ。
 起動エレベーター『ツリーBX』の崩壊まで充分
に時間の猶予があれば、そしてリオランド側に地球
人達の事情を汲み取って全面的に協力する度量があ
れば、こうはならなかったのかも知れない。結局ど
う足掻いても分かり合える雰囲気ではありませんで
したが、回避の可能性を思うと何とも歯痒いです。
 ミカドに関してはあちらだけでなく、味方である
筈のこちらにも賛同者は極少数で、下手したらリオ
ランド側からも嫌がらせのような横槍入れられそう
で、思惑通り立ち回れるのかちょっと心配です。

毒舌少女のために帰宅部辞めました

[著者:水埜アテルイ/イラスト:ななかぐら/角川スニーカー文庫]★★

毒舌少女のために帰宅部辞めました (角川スニーカー文庫)

毒舌少女のために帰宅部辞めました (角川スニーカー文庫)

 問題抱えた生徒の扱いを持て余した教師が、別の
いち生徒にその問題を丸投げするって……彗はあっ
さり懐柔されてましたけど、いくら美人教師とは言
え見過ごせませんよ。とは言え、アリナとは事情を
知る間柄のようなので、投げっ放しってわけでもな
さそうですけど。でも“何で彗だったのか?”って
疑問は、読み進めても解けた気はしませんでした。
 その辺りは「彗の性格ならやってくれそう」程度
の選別で、案外それ以上の深い意味は無いのかも知
れませんが。もうちょっと話が進んでみないと何と
も言えない感じです。アリナは思ってた以上に厄介
な問題を抱えていて、果たして彗の助力で快方へ向
かう事が出来るのか、と言う心配はありますよね。

理想の彼女と不健全なつきあい方

[著者:瑞智士記/イラスト:フミオ/ファミ通文庫]★★

 隠している秘密がバレたから警戒して契約まがい
の事を迫っておきながら、自分の希望通りにうまく
事が運ばず行き詰まったら直ぐに相手を頼る、って
どうなんですかね? 惚れた(正確にはちょっと違
うけど)弱味か陸生はちょっとお人好しな感じで、
逆に美優は出逢って間もない陸生を自分の都合の良
い様に頼り過ぎなんじゃないの? とか、どうにも
やってることが自分の都合優先な所が好きになれな
い美優に対しては、好感度が下がりまくりでした。
 恋愛感情があるかと言えば、お互い何とも微妙な
感じなのですが、終盤の件が切っ掛けで多少は意識
するようになったのかどうか。でもまあ今の所は陸
生を好きと明言している春菜を応援したい気持ち。

入職したら歳下上司と幽霊相手のお仕事でした

[著者:三門鉄狼/イラスト:なたーしゃ/ファミ通文庫]★★★

 最初はもっと軽いノリの話だと思ってましたが、
コメディっぽい雰囲気ではなく大分ホラー寄りな内
容で、見えざるモノが現実に害を振り撒く恐怖、あ
とはグロ注意な描写が多めで結構重たかったです。
 何がヤバいかって、そもそも見えないモノが見え
てる時点でヤバいんですが、小太郎には特に霊障へ
の対応力は無いし、扱いに慣れている麻姫には身体
的な問題があるし、それで短期間に幾度も気絶状態
に陥っているわけですから。見えるモノを見えない
モノとして扱う、つまり“見て見ぬ振り”的な対応
が無難なのかも知れませんが、二人共影響受け易い
身なので、なかなかそうも行かなさそう。関わり続
けるのだとしても無事であって欲しいものです。

勇者よ、たのむからオレでなく魔王さまに惚れてくれ! 絶体絶命の魔軍参謀

[著者:壱日千次/イラスト:雛咲/ファミ通文庫]★★★

 変態魔王→恋愛脳勇者→板挟み魔軍参謀、の一方
通行にしかならない想いや行動の空回りっぷりが実
に楽しい。勇者にとっての世界平和とか魔王にとっ
ての人間を滅ぼすとか、そんなものはどうでも良く
て、ただ想い人を目指して過剰な勢いて突っ走る。
 魔王ジャフィは先代魔王の父親に「お前の好きな
様に生きろ」と言われているし、勇者エレナは身勝
手な人間達に都合のいい様に扱われて不満や不信が
募っている。こんな事情なので、魔王(女)が勇者
(女)を好きになって変態ストーカー行為に及んで
も、勇者が課せられた使命そっちのけで恋に溺れて
生きても、いいんじゃないかなあって思えてしまい
ます。カイムや魔王の部下達は不憫ですけどね。