SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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リベリオ・マキナ3 ―《白檀式改》桜花の到達点―

[著者:ミサキナギ/イラスト:れい亜/電撃文庫]★★

真っ向から跳ね返せない所が辛い立場
 ハウエルズが手掛けた軍用オートマタには『吸血鬼の生きた脳』が使われている。これを白日の下に晒して独断暴走を止める、とカノンと水無月が目論むも、技術的には充分可能ながら世間的立場の弱さから動きが制限されてしまう。ハウエルズの後手に回らざるを得ない。歯痒い状況が続きますね。

劣勢でも優勢でも追い込まれている感覚が常に付きまとう
 カノンが立場的に強気に出られないのもあって、彼女を精神的に追い込むハウエルズの狡猾な手口がまあ嫌らしい事この上ない。カノンの予想外の反撃に一時は狼狽しても、即座に立て直す辺りはさすが黒幕。ここから水無月の反撃に期待しようと思っていたら……このラスト、一体どう言う事なのか? ちょっと茫然の幕引きで言葉にならない……。

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