SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

戦闘員、派遣します!

[著者:暁なつめ/イラスト:カカオ・ランタン/角川スニーカー文庫]★★

戦闘員、派遣します! (角川スニーカー文庫)

戦闘員、派遣します! (角川スニーカー文庫)

 新たな侵略地を異世界に求めるとか、あまり詳
細まで触れる事のなかった現実世界の方の『秘密
結社キサラギ』の侵略度合が割と気になったりも
しました。世界征服間際と言ってましたが、実際
どんな雰囲気なものなんだろうかと。異世界送り
込んだ六号が完全にあっち側メインで活動してる
ので、覗き見る機会はないのかも知れませんね。
 消極的でやる気なくて異世界人(特にスノウ)
に対して容赦なく悪戯に近い悪行を振りかざしま
くる。その癖何故か与えられた任務は着実に遂行
してるんだから、六号って妙な存在感だなあって
思います。本人に全く自覚はなくとも、案外悪役
よりヒーロー適正の方があるんじゃないかな。

ミリオン・クラウン2

[著者:竜ノ湖太郎/イラスト:焦茶/角川スニーカー文庫]★★

ミリオン・クラウン2 (角川スニーカー文庫)

ミリオン・クラウン2 (角川スニーカー文庫)

 東京から関西方面へ。中華の横槍や幻獣種、天
悠種の襲撃、そして王冠種の暗躍。政治的な駆け
引きやら徹底抗戦やら繰り広げていましたが、特
に感じたのはあらゆる場面で日本国が劣勢に立た
されている、と言う事でしょうかね。中華がどん
な本心を抱き接触を図っているか、人と同等以上
の知能を持つ王冠種が何故人間達の命を脅かすの
か、ごく一部の人達以外には到底手の届かない事
柄なので、把握出来ずに対処しなければならない
所が劣勢の雰囲気に繋がってしまうのかなあ。
 一真は知る事の出来る者の中心に居ながら、手
にした情報を持て余しているような印象で。その
武器をどう有利に振るって行くかが見物ですね。

既刊感想:

ミリオン・クラウン1

[著者:竜ノ湖太郎/イラスト:焦茶/角川スニーカー文庫]★★

ミリオン・クラウン1 (角川スニーカー文庫)

ミリオン・クラウン1 (角川スニーカー文庫)

 もしも退廃した世界で人類の敵を全滅させたと
して、果たしてその先に復興繁栄の未来があるの
か……と考えてみた所で、まず『王冠種』なる人
類の災厄を滅ぼすなんて事が非現実的なわけで、
どれだけ希望を抱いてみても所詮夢物語にしかな
らない虚無感がどうしようもなく苦くて切ない。
 救済の可能性は提示されたけれども、『ミリオ
ン・クラウン』として一真がひとり持ち上げられ
ただけでは、まだまだ足りないんじゃないかなあ
と言った印象でした。とにかく王冠種の強大さが
圧倒的過ぎて。那姫や千尋達の組織もまだ全容が
見えたわけではなくて、ここからどんな風に一真
の力とと連携を取って行くのか気になる所です。

特殊性癖教室へようこそ2

[著者:中西鼎/イラスト:魔太郎/角川スニーカー文庫]★★

特殊性癖教室へようこそ2 (角川スニーカー文庫)

特殊性癖教室へようこそ2 (角川スニーカー文庫)

 本性隠さなくなってから絶好調だな伏黒。攻め
られても悦び、避けられ冷たくあしらわれても悦
び、放置プレイでも悦び、どうすれば彼女を悦ば
せないで済むか考えた末に無理だと悟りました。
 しりとり、将棋、武器を用いての決闘、これだ
けを並べるとやってる事が至極まともに見えてし
まう辺りが逆に恐ろしい。勿論ノーマルなどでは
なく、ひたすらシチュエーションと表現描写の限
界ギリギリを攻めまくるどエロ仕様でしたとも。
 胡桃沢の特殊性癖は意外に、でも改めて観察し
てみるとしっくり来るものもありました。そして
相変わらず恭野の性癖は謎のまま。あのおぞまし
名簿を眺めてみても、見当がつかない現状です。

既刊感想:

特殊性癖教室へようこそ

[著者:中西鼎/イラスト:魔太郎/角川スニーカー文庫]★★

特殊性癖教室へようこそ (角川スニーカー文庫)

特殊性癖教室へようこそ (角川スニーカー文庫)

 第22回[秋]スニーカー大賞『特別賞』受賞作。

 20人の特殊性癖が1人1人暴露される度に膝
から崩れ落ちる伊藤の姿を堪能する事こそ、この
物語の真の醍醐味……なのかどうかは定かではあ
りませんが。恭野や胡桃沢の性癖は、含みのある
物言いであえて伏せている節はありましたよね。
 しかしここまでどストレートにエロ描写をぶち
込んで来るとは思いませんでした。伏黒のド変態
性癖のせいでこうなってしまった感はありました
けど、「いいぞもっとやれ(内容的に)」と「大
丈夫か?(レーベル的に)」の鬩ぎ合いでした。
 初っ端のプリントで凄まじいおぞましさを味わ
ったわけですが、本気でヤバいのもあって、それ
らも暴露させられるのかと。興味は尽きません。