SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

スパイ教室01 《花園》のリリィ

[著者:竹町/イラスト:トマリ/富士見ファンタジア文庫]★★★

第32回ファンタジア大賞『大賞』受賞作
 スパイ養成学校の落ちこぼれ、リリィが何故か特殊任務の一員に選抜されてしまう。疑問を抱きながら向かった先には、凄腕の若き教官と、達成成功率が限りなくゼロに近い『不可能任務』だった。

『極上』だ
 選抜少女達の教官・クラウスの口癖。物語の中で何度も聞かされるので、クラウスみたいに行かなくとも、格好つけてどうにか使ってみたいこの台詞。案外軽く口ずさめるので、なんか癖になりそう。

少女達のスパイ大作戦
 前半は『訓練』で後半が『実践』。皆が何らかの特殊能力を持ち合わせていそうだけど、今回は主にリリィの『猛毒』。あと少しだけエルナの『不幸』か。話が進めば他の子達も能力披露してもらえるかな?

伏線の貼り方と展開しての回収の仕方
 この“描き方”が本当に素晴らしい。後半の『敵対者』との駆け引きの辺りはもう一気読みでした。こう言った『裏の裏の裏の……読み合い』みたいな駆け引き描写、今後も巧く物語に盛り込んで行って欲しい。

結婚が前提のラブコメ

[著者:栗ノ原草介/イラスト:吉田ばな/ガガガ文庫]★★

現実の『結婚相談所』ってどんなもんなんだろう?
 あまりに未知の領域過ぎて、物語と現実との差異がさっぱり比較出来ねえ。何となくのイメージとしては、黒峰マリッジプランナーみたいな大規模会員な方が頭に浮かんでいた。

仲人が近過ぎる
 いや、親身に寄り添う距離がね、近くない? 小規模な結婚相談所ってこんな雰囲気なのかな。いや、でも仲人の縁太郎に女性達の恋愛感情や結婚願望が全く向いてないからいいのか?

結婚相談所の会員になってまで結婚したい『理由』
 読んでいて、ここが最も知りたいと思っていた事。一応それぞれの発言は聞けたけれども、それはまだ上辺だけって印象で。個々の事情の掘り下げなども、今後は色々見た所です。

水無月結衣の結婚願望
 結衣だけは他の女性が持つような確固たる意志が希薄で、妙に“ふわっと”している。彼女と縁太郎がどうにかなってこそ、『ラブコメ度』も増して行きそうですが、どうなるでしょうね。

双血の墓碑銘2

[著者:昏式龍也/イラスト:さらちよみ/ガガガ文庫]★★

伊東甲子太郎の思惑
 新選組を掌握したかったから? 吸血種の意向に賛同したから? 沖田総司と対面し対話を交わしても、その真意は未だに見えていない。

吸血種狩りフェレイラの目的
 ここは割と分かり易い。吸血種殲滅。その後に、同じ吸血種である自らの命を絶つ事で完結させる。ただ、動機までは分からい。『何故?』の部分はいずれハッキリするだろうか。

坂本龍馬の意図
 今起こっている全てを闇に潜んで操っているような、そんな雰囲気。実際の所、一切表に出て来ないので不明点が多くても何も問えない現状。柩の力で日本を救うとは言っているけれども……。

柩の正体
 “誰か”の血を継いでいて、その血統が原因で方々から狙われている、かな? 結局まだ多くは開示されていない。隼人が柩を守り抜く事で、何かが変わって行くのかどうか。

既刊感想:

双血の墓碑銘

[著者:昏式龍也/イラスト:さらちよみ/ガガガ文庫]★★

幕末と外来吸血種
 黒船に乗って吸血種襲来。幕府と敵対するのとはちょっと違っていて、利用したりされたり、みたいな関係で。ただ、能力的には吸血種上位で幕府を利用している、いい様に操っているような印象でした。

元新撰組隊士・柾隼人
 主人公の彼だけは、創作の新撰組隊士のよう。幕末の有名所で登場していたのは沖田総司、ジョン万次郎、あと終盤でもう一人の大物。名前のみで新撰組の人物達なども色々登場していました。

復讐に生きる
 険し過ぎる道程。同行者で血を与えて貰った少女・柩が何者なのか分からない。新撰組参謀・伊東甲子太郎が何故裏切ったのかも不明。謎を抱えながら、隼人は吸血種達を迎え撃たなければならない。

むしめづる姫宮さん2

[著者:手代木正太郎/イラスト:Nagu/ガガガ文庫]★★

羽汰が『虫の魂』から解放されるのは何時?
 それが訪れた時が物語の終わる時だろうか。今の所は特に変化も無く、状況は好転も悪化もせず。どれだけ凪と『解放』作業をこなせば報われるのか、まだ終わりは見えて来ない。

割と充実した“虫と関わる”生活
 凪と関わる事で『虫の魂』に憑かれた相手とも関わり、虫の魂の正体と原因を突き止める行動を積極的にこなしている。何だかんだ言っても、以前に比べて大分満たされているようにも見える。

自己の過小評価は変わらない
 羽汰自身の性格が卑屈過ぎて全然見えていないだけで、『友達付き合い』みたいな行為はちゃんと出来ているじゃないか、と。せめて雪絵の仕草にはもうちょっと気付いて欲しいよなあ、幼馴染みなんだからさ。

既刊感想: