SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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総理にされた男

[著者:中山七里/NHK出版]

 日本の内閣総理大臣の立場から追った、日本の政治政策の話。正確には、総理と『そっくりさん』な男が事情によって無理矢理身代わり総理にさせられ、演技を続けながら政治政策をこなして行く、と言うもの。

 描かれている内容があまりに現実に寄り過ぎていたせいか、読んでいてノンフィクションドキュメントと錯覚してしまう程でした。

 本書の政治政策描写があまりにリアルだったので、実際の政治に関心が薄い身でも、たとえこれがフィクションと理解していても、良くも悪くも腹に熱く煮えたぎるものを抱えてしまいましたよね。

 ついつい現実と比較させられてしまう所がこの物語の真骨頂であり、夢中にさせてくれる面白さがありました。もしかしたら、『替え玉』だったからこそ、本物には出来ない無茶な踏み込みの決断が為せたのかも知れません。