SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

カッティング 〜Case of Mio Entanglement〜

[著者:翅田大介/イラスト:も/ホビージャパン HJ文庫]★★

カッティング3~Case of Mio Entanglement~ (HJ文庫)

カッティング3~Case of Mio Entanglement~ (HJ文庫)

 シリーズ第3巻。毎回主役を置き換えて、『B.R.A.I.
N.complex』の実態に迫ってゆくオムニバス形式で進む
予定だったのが、どうやら路線変更らしく。1巻目のミ
オとカズヤを主役に戻してその後を描き続ける模様。
 表面だけを見たら、まあこりゃ紛れもなくバカップル
ってやつだな。犬も食わない夫婦喧嘩。もしくは初心な
少年少女の恋愛にありがちなくすぐったい擦れ違い。
 ただ、ごく一般的な甘酸っぱい青春やってるんなら、
理解し合えてよりを戻すか修復出来ずに破局するかで終
わるんだけど。この二人の場合根本で抱えてるモノが普
通じゃないから、当然普通じゃ収まらないわけで。いち
ゃついてる裏側に、今後の行く末を示唆するメッセージ
性のようなもんが見え隠れしていて、終始脆く危うい感
じを抱いてたんだけど、案の定最後の最後で……。
 今回は地盤固めの準備段階。物語が大きく動くであろ
う本番は次巻から。今後どんな方向に転がってゆくかは、
おそらくカズヤの扱いと葛峰姉弟の動向次第。もしかし
たら、2巻のトモエとケイイチロウも絡んで来る?

既刊感想:〜Case of Mio〜
     〜Case of Tomoe〜

ご愁傷さま二ノ宮くん8

[著者:鈴木大輔/イラスト:高苗京鈴/富士見ファンタジア文庫]★

 言葉で分かり合えぬのなら拳で語り合え! ……ってどこの少年漫画的展開ですか? な、二ノ宮峻護対サキュバスお姫様ヒルデガルト(ヒルダ)。まあ比較するのもバカらしくなるくらい強さの次元が違うもんで、峻護はボコボコにされちゃったんだけど。ただ、ヒルダに己の存在価値を認めさせる事が出来るか否か? という意味での勝敗を問うならば、文字通り命懸けでヒルダを納得させた峻護の勝ちって事になるのかも知れない。

 しかし、終わってみたら「そういや何で峻護は命張ってヒルダに挑んでたんだっけ?」と、当初の目的をすっかり忘れてたというオチ(いや、その後直ぐ思い出す事になったけどね)。原因である所の真由の中に秘められた『存在』ついては、「まだ引っ張るのかよ〜」って具合で、結局次巻へ持ち越しになってしまったなぁ。

 今まで峻護が接して来た真由と“ひとりめの真由”、麗華と彼女の中の“もう一人の麗華”、そしてサキュバスについて。諸々の謎がようやく解かれるか?

既刊感想:
ご愁傷さま
おあいにくさま