SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹

[著者:西尾維新/イラスト:竹/講談社 講談社ノベルス]★★

 因果律。運命。縁。物語。内側の存在。外側の存在。“最強は最弱”と“最弱は最強”のバランス。“死なない”研究。“死なない=生きている”ではない。”死んでいる=生きていない”でもない。ジェイルオルタナティヴ(代替可能)。バックノズル(時間収斂)……と、押さえとくべきはこんなとこか〜?

 脳味噌に叩き込みたい要点が多過ぎて、許容量の狭い私の頭はちとオーバーヒート気味だったけど、対木賀峰約、対円朽葉、対匂宮出夢、そして対西東天……どれもこれも心惹かれる対話ばかりで凄く良かったなぁ。

 いーちゃんって、自分が『外側』に居る振りをして自分でそう思い込む事でそれが本当だと塗り固めていながら、実はどうしようもなく『内側』に篭った存在なのかなぁ、と漠然と考えてみたり。『外側』にはみ出してる人達に凄く焦がれているような感じで。

 でも『外側』の人達から見たいーちゃんってのは、既に突破しているのに内側に残っていたいような、そういう風に捉えてる気がするんだよねぇ。“境界線上に揺れながら立っている”のが一番しっくり来る表現なのか。さて、最終章で見極められるかどうか。

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