[著者:有川浩/イラスト:徒花スクモ/メディアワークス]★★
図書館危機 図書館戦争シリーズ3
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有川 浩/徒花 スクモ KADOKAWA 2011年05月
シリーズ第3巻。猥褻行為被害、昇任試験、違反語、郁対母第2ラウンド、図書隊対メディア良化委員会大流血戦闘、そして図書館に訪れる転機……などなど。
今回は1巻目と2巻目の要素が丁度半分ずつの割合で盛り込まれていたかな? 前半は登場人物達の輪郭をより際立たせるようなエピソードが主で、一方後半は図書館とメディア良化委員会の相容れない対立模様を描いたエピソードが主で、これまでの中でのいいとこを切り取って貼り付けたって印象。今までに増してぐいっと惹き込まれる絶妙なバランスで良かった。
しかしこのラストはかなり衝撃的だったなぁ。あらゆる意味で大きな大きな支えだっただけに余計にね……。ひとつの図書館時代の幕引き、そして新たな図書館時代の幕開けってとこだろか? 損失と空虚感は限りなく大きく、それでも引き継がれ託された者達の体制で歩んで行かなければならない。
もしかしたら、この物語で最終的に描こうとしているのは“メディア良化法との戦い”ではなく、“図書館内部の変革”なのかも。単純に私の憶測だけの物言いだけど、望んでいる事でもある。そういうのを最終巻で見てみたい。
……あれ? そういやあのバカップルの件が幾つかの騒動でいつの間にやら有耶無耶になっちまってたなぁ? まあこちらもね、万事めでたしめでたしとなって欲しいよな。