[著者:鷹野祐希/イラスト:和泉つばす/富士見ミステリー文庫]★
ぼくのご主人様!?(5)
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鷹野祐希 富士見書房 2007年12月
続きが出るとは思ってなかったよ連盟(あとがき参照)って、しかも筆頭って……著者の方もそんな気持ちだったんだ。いち読者的にもそんな気持ちだったよ。
この物語の根幹である所の“肉体と魂と世界の入れ代わり”、その原因に関する問題を突き詰めて纏め上げた総括編にして完結編。本来繋がる事がなかった筈なのに繋がってしまった縁。それを元に戻す為の最後の入れ代わり。曖昧にせずきちっと未練なく納得の上で二つの世界の縁を断ち、でも心には互いに通い合った絆をしっかり残す。理想的なハッピーエンドで良かったなと。
しかしこの物語、思い返せば……男の魂が異世界に飛ばされメイドな女の子の肉体に入って、同じメイドさん達に囲まれるような状況で、それを幾度か繰り返しても、最後まで殆どエロコメやラブコメに走ろうとしない珍しい作品だったと思う(こういうシチュエーションだったらそっちに行きたくなるんじゃないだろか? 書き手側も読み手側も……ねえ?)。
結局シリーズ通して“割とシリアス時々サスペンス偶に謎解き”で描き切ってしまった辺りは、何気に凄い事なのかも知れない。