[著者:滝川廉治/イラスト:toi8/スーパーダッシュ文庫]★★
第7回スーパーダッシュ小説新人賞『佳作』受賞作。
このエピソードだけでは物足りねぇ。周囲の人達に『超人間』と呼ばれ畏怖される、岩村陽春という男の『超人間』成分が圧倒的に足りねぇぜ。岩村の“超人間伝説”はまだまだこんなもんじゃ無い筈だ。もっと読みてぇ、もっと岩村が積み上げてきた伝説の数々に触れてみてぇ……という良い意味での物足りなさ。
岩村って男は別に超能力があるわけでもなく、特筆して他者より優れているわけでもなく(一点特化能力なら多村やマルちゃんの方が凄そうだし)、言わば勢いだけの特攻野郎なんだけど、じゃあ何故そんな男に『超人間』なんて大層なあだ名が付けられている?
……そんな部分がね、今回のエピソードだけでは納得して埋められなかったというのかな。きっと過去からのとんでもない蓄積があると思うんだよ。そんな他者を凌駕する凄さをもっともっと披露して欲しい。