[著者:物草純平/イラスト:藤ちょこ/電撃文庫]★★
ミス・ファーブルの蟲ノ荒園(アルマス・ギヴル) (電撃文庫)
- 作者: 物草純平,藤ちょこ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/06/07
- メディア: 文庫
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ファーブル昆虫記のファーブルさんが女性化した ヒロインのアンリ。読む前のイメージから、昆虫大 好きな彼女が作中で<蟲>と呼ばれる生命体を操り、 何らかの敵と戦うのだと思ってました。でも、蟲を 操るのは<裸蟲>と呼ばれる異形の敵対者側の方でし たね。そんな裸蟲を迎え撃つのが、日本から舞台と なるフランスへ漂流してきた主人公の慧太郎。護る 側の事情と敵対する存在の事情とに挟まれながら、 時に絶望に打ちひしがれ、時に絶大な信頼を寄せる 自分の力量を振るって裸蟲と戦って行きます。 慧太郎と刃を交えた裸蟲のジョゼフは、人間達に 家族を虐殺された事への憎しみで動いてましたが、 敵であっても認めた相手には敬意を示す程に男気の ある存在でした。ただ、裸蟲の組織《ブリュム・ド ・シャルール》は彼のような存在の方が少数派っぽ い感じですね。蟲を好んで共存を望むアンリや、裸 蟲達を理解し説得し凶行を止めたい慧太郎と、裸蟲 の組織はまた真っ向からぶつかる予感がします。 今回は蟲の存在や魔女の存在、それに慧太郎の左 目に宿る<蟲天の瞳>の存在についても謎が多く残さ れたので、次は更に深い所まで見てみたいですね。