SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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異世界の名探偵1 首なし姫殺人事件

[著者:片里鴎/イラスト:六七質/レジェンドノベルス]★★★

 異世界名探偵を誕生させる前の下準備として、まず“魔術があれば何でも出来る”に制約を設けて、魔術の力で出来る事と出来ない事を明確に線引きしている。そのお陰で異世界転生者のヴァンが探偵の経験を活かせる。こうして順序立てて世界観を組み上げ、異世界・魔術・探偵を融合させて行く辺りが特に印象に残りました。

 殺人事件とトリックや推理や解明についてはあまり深く考えないで読む方なのですが、こちらも充分惹き込まれる内容で面白かったです。最後にしこりが残るような、事件当時のキリオの行動に関してはちょっとだけ気になりましたが、ヴァンとの今後の関係でキリオの性質がどう表れて行くでしょうか。