SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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我が魔道書は此処に在り 没落貴族と魔道学院

[著者:大黒尚人/イラスト:白井鋭利/富士見ファンタジア文庫]★★

名門貴族復興への道
 アルトが守護するルネお嬢様の目的。まず、何者かの陰謀で没落させられたロレーヌ家の復興。そして、失われたロレーヌ家に代々伝わる魔道書、その原書の完全復元。ただ、それより何より最も望んでいるのは、大切な従者であるアルトの肉体の『正常化』でしょうね。止むを得なかったとは言え、過去に悲劇を救えなかった負い目があるせいか、ルネからはあまり願望を言葉に出来ない。それでも、アルトを元に戻したい想いは強く強く伝わって来ます。

強い想いで不可能を覆せるか?
 しかしルネが望むアルトの正常化は、現状絶望的なまでに無理難題。それは、ルネ自身もよく理解している。魔道書復元への道を辿って行けば、アルトの救いにも必ず繋がって行く、と信じたいですね。