SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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俺がピエロでなにが悪い!

[著者:白井ムク/イラスト:塩かずのこ/講談社ラノベ文庫]

 第9回講談社ラノベ文庫新人賞『佳作』受賞作。

 『ホスピタルクラウン』=病院などで心のケアをする『道化師』のこと。また、そのような活動のこと(wikipedia調べ)。とある理由でこの活動に参加している、ぼっち主人公・宮守樹と、学校随一のギャル系女子・市川愛莉との奇妙な縁と交流の物語。

 樹の性質を一言で表すなら、『ポジティブ思考なぼっち』かな? リア充なクラスカースト上位達に対しても、自分を卑下したり卑屈な態度になったりは一切しない。樹からは極力関わりたくないけど、向こうからちょっかい出して来るなら倍返し! みたいな態度。なので、陰湿な空気にはならず、ぼっちでも楽観的で明るい雰囲気で進んで行きます。

 道化師を演じる活動の過程で、愛莉との交流を深めて行く様子も大きな見所。言い合いでじゃれ合ってる友達関係っぽいですけどね。愛莉に隠している樹のピエロの素性バレの行方と、二人の関係の行方、どちらも続きでの展開が楽しみな所です。