SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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春夏秋冬代行者 春の舞 下

[著者:暁佳奈/イラスト:スオウ/電撃文庫]

 雛菊と狼星が再び『想いを繋ぎ結び直す』まで。最終的にはそこへ辿り着く為の物語だったかな、と言う印象に落ち着きました。実は、もっと早い段階から雛菊と狼星の再会と交流が描かれるものと期待していたので、『二人だけの物語』として括ると、その辺りは正直な所もっと見たかったかなあと。

 『十年前』と『現在』の雛菊の『差異』、彼女の中に感じる違和感みたいなものは、痛々しい程充分に把握出来ました。とにかくこの首謀者は正真正銘の腐れ外道で、もう最後は一切の慈悲なく断罪してくれ、と本気で憤りを感じてしまいましたねえ。

 前述の様に、『過去と現在の雛菊』を狼星が受け入れ、新たな想いを繋ぎ合わせた所で終幕。綺麗に終わってるんですけど、この先の雛菊を狼星の触れ合いや、ここでは見られなかった四季の代行者達それぞれのエピソードなどは更に見てみたいですよね。

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