SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」

[著者:瘤久保慎司/イラスト:赤岸K/電撃文庫]★★★

錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」 (電撃文庫)

錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」 (電撃文庫)

 序盤の賑やかなビスコの里帰り最中に、いきなり
前触れもなくクライマックス感満載で。この勢いと
ノリが最後の最後までペースを落とす事なく続いた
もんだから、まさに全てを出し尽くして燃え尽きた
って感じでした。途中幾度も窮地に立たされまくり
で、加えて『錆』の汚染と日本国と過去と現在の新
事実が一挙に押し寄せて来たので、ビスコ達を追っ
ていてめちゃくちゃ疲れました。息切れしそうでし
たけど。心地良い疲労感ってやつでしょうかね。
 ラストの部分は新章の予告っぽく。当たり前だけ
ど現時点では誰なのか、何を言っているのかは分か
らない。ただ、ビスコの存在が絡んでいて、後々巻
き込まれてしまう事だけは確定事項のようです。

既刊感想:

錆喰いビスコ2 血迫!超仙力ケルシンハ

[著者:瘤久保慎司/イラスト:赤岸K/電撃文庫]★★

錆喰いビスコ2 血迫!超仙力ケルシンハ (電撃文庫)

錆喰いビスコ2 血迫!超仙力ケルシンハ (電撃文庫)

 ビスコが他の女に言い寄られて満更でもなさそう
にしていると、途端にむくれて嫉妬心露わに不機嫌
になったりとかね。ミロきゅんのビスコへ向ける想
いや仕草が、相変わらず女の子なメインヒロインし
てて反応に困る。初っ端から見せ付けてくれた女装
姿も、違和感なく様になってたんだろうなあ(そう
いやその辺りもビスコといちゃちゃしてたっけ)。
 そう言えば今回の目的。ケルシンハとの死闘で何
となく有耶無耶になって、最後に「そういやそうだ
った」と思い出して、でも目的達するどころかむし
ろ……みたいな具合でした。悪影響ない限り治療を
急く必要もあまり無さそうな気もしてますが、どん
どん人外化が進んでるのはちょっと気になるかな。

既刊感想:

錆喰いビスコ

[著者:瘤久保慎司/イラスト:赤岸K/電撃文庫]★★

錆喰いビスコ (電撃文庫)

錆喰いビスコ (電撃文庫)

 第24回電撃小説大賞『銀賞』受賞作。

 漢と漢の熱い友情パワー全開! って具合のノリ
の筈なんですけど。ミロがあまりに容姿端麗過ぎる
ので、雄々しいビスコと並ぶと何か友情パワーより
ラブラブパワーみたいな雰囲気で。燃えたぎる終盤
の最中で大変申し訳ないのですが、ちょっとイケナ
イ目線で見てしまったりもしました正直な所。だっ
て勢い任せで「愛してる」とか言っちゃってるし。
 でもまあ、ビスコみたいな野郎二人じゃむさ苦し
いだけだし、かといってミロみたいな男の子同士じ
ゃ余計イケナイ雰囲気が漂いそうだし、パートナー
としての二人旅にはバランスが取れているのかな。
 今回は関東近辺と東北。次は何処へ? 腐敗した
東京都心部もいずれはお目見えするのでしょうか。

名もなき竜に戦場を、穢れなき姫に楽園を

[著者:ミズノアユム/イラスト:切符/富士見ファンタジア文庫]★★

名もなき竜に戦場を、穢れなき姫に楽園を (ファンタジア文庫)

名もなき竜に戦場を、穢れなき姫に楽園を (ファンタジア文庫)

 隣国同士の二国が、どちらかがどちらかを殲滅す
るまで戦うしかない戦争の末期状態にあって、そも
そもの“戦争が始まった原因”が分からない。両国
の誰に聞いても明確な回答を得る事が出来ない。そ
んな当たり前の事実が全く見えず、長期間ぼやけて
いる「何故?」の部分に強く興味を引かれました。
 敵国同士のクロトとロアにとっては、そんな見え
ない答えに辿り着く為の巡り合わせ、出逢いだった
のかも知れません。後々抱えていた疑問は予想外の
方向に膨らみ、民意は二人の気持ちに反して戦争続
行の声が根深く、最後までどう転ぶか分かりません
でしたね。一応の収束は見ましたが、まだ謎も残さ
れていて、次の再会でどう物語が動くでしょうか。

魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女

[著者:虎走かける/イラスト:いわさきたかし講談社ラノベ文庫]★★

 『ゼロから始める魔法の書』の続編。そちらを知
らなくても充分に楽しめるような内容で、知ってい
れば更に楽しめるのかな? と言う感じでした。
 誰がどう前作との繋がりで絡んでいるのかは分か
らないので、あまりその辺りは気にせずに。稀代の
魔女ロー・クリスタスが魔法使い見習い達の導き手
として活躍する物語として、そしてセービル、ホル
ト、クドーの三人が黎明の魔女に導かれて成長して
行く物語として、面白さは見出せたかと思います。
 反魔女側の影響力のせいか、終盤まで随分不穏な
空気を感じ続けていましたが、ネタバラシされた時
は「ええっ?」って感じでしたよね。一件落着で綺
麗に纏まって、さてこの先どう続くのでしょうか。