SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

ロードス島戦記 誓約の宝冠1

[著者:水野良/イラスト:左/角川スニーカー文庫]★★

 絶対相互不可侵の縛りを受け入れた結果、100
年保たれた平和は果たして長かったのか、それとも
短かったのか。パーンやスパークが慎重な意見を示
したのが正しかったのかも知れないし、受け入れな
ければもっと早期に平和の破綻が起こっていたのか
も知れないし。どちらにしても永続的な平和と言う
のは、国同士が隣り合っている時点で、どれだけ完
璧に見える方法であっても絶対に望めないものなの
かなあ、と。そんな風に思わされた始まりでした。
 主人公のライル。確かに『ロードスの騎士』を名
乗るのは自由だけれど、正直まだ頼りない。それで
も大胆な行動力の高さと思い切りの良さは、期待せ
ずにはいられない妙な魅力を感じさせてくれる。

マスター、ご注文は殲滅魔法だそうです。 カフェのオーナー、実は王国最高の魔導師

[著者:木村心一/イラスト:イセ川ヤスタカ/角川スニーカー文庫]★★

 自分の名前を名乗って、その後に「探偵さ」と言
いたいが為に探偵家業に手を出したんじゃないだろ
うな? 格好や仕草は一丁前に気取ってるけど、実
はカイトーってそんなに聡明でも頭脳明晰でもなく
て、もし適正あるなら最初のテバウ宅訪問時の違和
感に気付いた時点で見逃さなかっただろうとか、迂
闊に騎士団に逮捕される事も無かっただろうとか。
 探偵家業が成り立っているのは天才的な魔導師能
力と圧倒的魔力量があってこそだろうなあと。まあ
力押しでも何でもそれで事件解決出来てればいいの
かな? 卓越した頭脳プレイの謎解きとかも見てみ
たいですが、カイトーにはどうも難易度が高そうだ
し、それを求めるのは何となく違う気もしました。

好感度が見えるようになったんだが、ヒロインがカンストしている件2

[著者:小牧亮介/イラスト:遠坂あさぎ/角川スニーカー文庫]★★★

 冬馬が『好感度が見える事』に頼り過ぎている、
依存し過ぎている、ような気がするのが何となく不
安を掻き立てる。ピンクの蚊に刺された突発的な発
生で原理も不明、なのでいつ突発的に消滅してもお
かしくない能力であり、頼り切った状態で消失した
らどうなるか。心配なのはその辺りなんですよね。
 冬馬は今回の春輝と美来の関係がこじれた件で、
他人同士の好感度も可視出来たらもっと上手い事立
ち回れるのに……なんて事を考えてましたが、そこ
まで視えてしまったら本当に失った時取り返しが付
かなくなりそうで。とは言え、今回の終盤みたく桃
華との距離が急速に縮まってくれたのもこの能力の
お陰なので、悪影響が出ないで欲しいものです。

既刊感想:

魔法学校首席になったら嫁と娘と一軒家がついてきたんだが

[著者:桐山なると/イラスト:夜ノみつき/ファミ通文庫]★★

魔法学校首席になったら嫁と娘と一軒家がついてきたんだが (ファミ通文庫)

魔法学校首席になったら嫁と娘と一軒家がついてきたんだが (ファミ通文庫)

 異世界転移者が脇役って、ちょっと面白い。仕様
を見ればどう考えても主人公タイプなのに。ミジョ
アの事を面白可笑しく支える立場として、ヤマダ視
点のエピソードとか直ぐに作れそう。そしてそれこ
そが物語の本筋っぽくなったりして。まあミジョア
の立場が無くなるので控えていて欲しいですけど。
 魔法学校モノの要素もあり、親子関係子育て要素
もあり、それ以上に前面に出ていたのはミジョア
エルキッサの疑似夫婦同棲関係だったかな。ジャス
のマスコットキャラ感は愛らしさに溢れていました
が、物語の中心って程の存在感ではなかったかも。
 いつの間にか二人の間に溶け込んでましたが、今
度はジャスがメイン寄りな内容を見てみたいかな。

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 1

[著者:世界一/イラスト:トマリ/オーバーラップ文庫]★★

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 1 (オーバーラップ文庫)

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 1 (オーバーラップ文庫)

 きっと『ニセモノ』が『ホンモノ』になるんだろ
うなあ、とか思いつつ。それでも冬華の真意がずっ
とハッキリしないままだったので、その辺りに興味
を引かれながらも結構座り心地が気になる感じもあ
りました。優児に対して過剰なまでの好意的態度、
それは果たして何処までが演技で何処からが本心な
のか? まさか優児が思っている“お兄ちゃんの嫉
妬を煽る行為”なわけは無いので、本心を隠した冬
華の態度を見抜くのはなかなか難しかったですね。
 何故兄を敵視するような態度を見せるのか、他人
同然の優児と付き合う振りを提案したのか、終盤で
大体分かって成る程納得。今後は優児の間違った思
い込みを修正してホンモノに近付けるかどうか。