- 作者: 酒井田寛太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: 文庫
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謎を解き真相を明らかにする。これに対しての過 去と現在の啓介の向き合い方。その差異をじんわり と染み入るように感じられる計3編のエピソード。 どれもとても良かったですが、中でも特に啓介の 過去の闇が絡んだ3話目は非常に心惹かれるものが ありました。興味本位の自己満足でただ自らの欲求 を満たす為だけに知の暴力を振るっていた過去の啓 介と、何の為に自分は謎を解き明かそうとしている のか冷静に向き合えるようになった今の啓介と、対 比しつつの描き方が本当に素晴らしかったです。 秘密を暴く、白日の下に晒す、傷跡を残す、決し て幸福なだけでは終われない痛みや苦味を伴う。現 在の啓介を通して存分に味わう事が出来ました。 既刊感想:1