[著者:天道源/イラスト:佐伯ソラ/講談社ラノベ文庫]★★
掴み所のない女の子だと思っていたが……
主人公・荒木陣の視点から眺めていて、真堂礼というクラスメイトの女の子は、第一印象として『とても距離感が掴み難かった』。一見クールで無感情、しかし時折妙に陣に関心や興味を強く示したり、不意を突かれて焦って冷静さを欠いたり、「どれが本来の素顔?」って掴みかねるような感じでした。女の子がずっと見続けていた彼の方が掴み所のない存在だった
そんな礼に対して抱いていた認識の『ズレ』みたいなもの。実は彼女がズレているように見えていた陣の方こそ、他人とはズレた感覚を持っていた。だから陣の視点で礼との距離感が掴み難かった。自分で自分の事は気づき難く、他人との付き合いや指摘によって初めて気付かされる。陣にとって『与えてくれた』相手が礼だったと言うわけですね。シンデレラは探さない。
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天道 源/佐伯 ソラ 講談社 2020年04月30日