SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

噂の学園一美少女な先輩がモブの俺に惚れてるって、これなんのバグですか?

[著者:瓜生聖/イラスト:西沢5ミリ/角川スニーカー文庫]★

 サイバーセキュリティ小説コンテスト『大賞』受賞作。

 最後の方でギブアップ。一応最後まで読み切りま
したが。面白くなかった、ではなくてガチに専門分
野過ぎて全く歯が立たなかったからです。特に三話
目は読み返してみてもダメでした。理解出来ないの
でイメージも出来なくて、マトに支払われた多額の
仮想通貨を返済すると言う事をやっている、の“や
っている内容”自体がサッパリだったわけですね。
 素人の希望で、どれだけ説明調子になってもいい
から、例えば祐が一つ質問してマトが十倍くらいの
回答で返すみたいな、それ位分かり易いのが良かっ
た。でも、そこまで噛み砕いた描写は大変かも知れ
ないし、逆に詳しい人は煩わしくなるかも知れない
し。個人的には一話目の難度が丁度良かったかな。

傀儡のマトリョーシカ Her Nesting Dolls

[著者:河東遊民/イラスト:山代政一/講談社ラノベ文庫]★★

傀儡のマトリョーシカ Her Nesting Dolls (講談社ラノベ文庫)

傀儡のマトリョーシカ Her Nesting Dolls (講談社ラノベ文庫)

 第7回講談社ラノベチャレンジカップ『佳作』受賞作。

 変人が常人に変わるまで。完全に変わり切れたと
は言えないけれど、他人から見たら“ズレている”
と感じられれていた部分に、明確な変化が見られま
した。一連の事件との関りや、物語としてのミステ
リ要素など、阿喰有史の人間性の変化を描く為の手
段として用いられていたような印象を受けました。
 事件については流れのままを追っていて、そんな
に考える間もなく解決編に突入して、最後のもう一
山もその場の雰囲気から何となく察せられたような
感じで。割と淡々と進んでいたように思えたのは、
有史の性格が影響していたのかも知れませんが。
 有史が事件との関りで、自分の在り方に変化を生
じさせて行く。この辺りが特に印象的でしたね。

2年B組は全滅しました

[著者:天宮暁/イラスト:あるてら/講談社ラノベ文庫]★★★

2年B組は全滅しました (講談社ラノベ文庫)

2年B組は全滅しました (講談社ラノベ文庫)

 一クラスが集団異世界転移で、訳も分からず神な
る存在にデスゲームを強要される。与えられ手にし
たスキルの強弱による優位性、加えてクラス内カー
ストによる人間関係の歪みが見せる醜悪さ、など。
 ここまでは既定路線を走っていましたが、その後
(物語の順序的には初っ端)からの、この物語独自
の一風変わった内容に大いに興味を引かれました。
 協力し合えるかどうか以前にまず“全滅”だし、
紫苑が死霊操り術の強制力を駆使してクリアを目指
す、その長き戦いの幕が開いた……かと思いきや、
最後のこの展開はちょっと意表を突かれるものだっ
たしで、面白いですよね。こんな状況のラストから、
次にどんな手で紫苑達を動かすのか楽しみです。

外れスキル[地図化]を手にした少年は最強パーティーとダンジョンに挑む4

[著者:鴨野うどん/イラスト:雫綺一生/オーバーラップ文庫]★★

 前巻ラストと今回の冒頭の書き出しがあまりに不
穏過ぎたので、21階層に挑んだ事で一体どうなる
んだろう? って不安視していたのですが……いや
ぁ、これは……一応身構えていたつもりでしたが、
起こり得そうな事を大分甘く見積もってました。
 ぶっちゃけてしまうと、この世界の何処かに『死
者蘇生』みたいなスキルを持つ人物がいねえかなあ、
と。つまりはそう言う展開でした。今回みたく今後
いつどこで何が起こるか分からないので、微かでも
望みがあるなら捨てないでおこうと思ってますが。
 初っ端からにこの不意打ち、ずっと地に足がつか
なくて気持ちがふわふわ漂ってるような、そんな感
じでしたね。少しでも状況好転する事を切に願う。

既刊感想:

死神に育てられた少女は漆黒の剣を胸に抱くIII

[著者:彩峰舞人/イラスト:シエラ/オーバーラップ文庫]★★★

攻める帝国、守る王国
 加えて共倒れ希望で漁夫の利を狙ってるっぽい、神国の動向が活発になって来た印象。神国はどちらかと言えば帝国に敵対意識を持ち、王国側の優位を望んでいるようで、でもソフィティーアの真意はまだ隠しているような感じ。

裏事情
 あと今回辺りから、表層で見えている戦争とは別の“裏側に潜んでいる事情”みたいなものが、徐々に顔を出しつつある。未だ謎に満ちた死神ゼットについてや、ヴァレッドストーム家の出自とオリビアの血筋、魔術と魔法、深淵人と阿修羅、などなど。

断片的な内容も多い
 ですが、どれも重要で目が離せない。これらの事情が戦争に影響を及ぼすようになった時、どう戦況が変わって行くでしょうか。

既刊感想:II