SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

異世界からJK転生した元妹が、超グイグイくる。2

[著者:はむばね/イラスト:鉄人桃子/HJ文庫]★★

受け流しスキルを持つ主人公に並の刺激は通用しない
 基本は異世界から転生して来た三人娘が、庸一を巡ってドタバタラブコメを展開する。この姿勢は前巻と変わらず。何かクラスメイト達も見慣れた様子で、庸一も達観しつつあり、安定期に入ったのかなあ、なんて思ったりもしました。猛烈に迫れたら庸一も反応はしますけど。環のは通用してないっぽいですよね。もっと刺激的に揺さぶって欲しいぞ。

庸一争奪戦、明るく楽しい活性化を望む
 今回は黒=『前世の魔王』のターン。環や光と違って前世の記憶が眠ったままで、目覚めの予感も匂わせていたので、この辺りのエピソードが来るかなあ、と思ってましたが予想通り続きで来ましたね。この黒の変化が安定に一石を投じる事になるのか? そして光のターンは無事やって来るのだろうか?

既刊感想:

ワーウルフになった俺は意思疎通ができないと思われている1

[著者:比嘉智康/イラスト:福きつね/HJ文庫]★★

ただの異種族間コミュニケーション不能ではない
 異世界で『ワーウルフ』に転生したから、人間じゃないから人間には『言葉が通じない』……ではないんですねえ実の所。ただ、その事実は終盤まで転生した竜之介=キズナ自身にも知らされない事で、ヒント自体は初っ端の冒頭に既にあったのですが、種明かしされて「成る程ね~」ってなりましたね。

序盤の妖精の説明文だけは再読必須
 序盤で妖精アアリッコがキズナに長々説明していた事、これが後々のヒントになっているとは最初分からなくて。正直キズナ同様「何言ってんだ?」って感じでした。これが終わってから再度読み返すと、ハッキリ意味が分かるようになる。キズナが度々発する特別な能力的な謎も、世界の事も把握出来る。この仕掛けは実に巧いなと思いました。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い3 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する

[著者:タンバ/イラスト:夕薙/角川スニーカー文庫]★★★

帝位争い激化の前兆か
 今回、表向きで帝位争いに目立った変化は見られませんでしたが、水面下では色々と暗躍する影があったりも。何となく遠くない内に帝位争いで事が大きく動きそうな、そんな予兆も感じられました。

兄の背中を追っていた弟が変わるべき時
 これまで誰より最もアルに羨望の眼差しを向けて来たレオ。「アル兄さんの方が皇帝に相応しいのでは……?」と言う思いが払拭出来ずにいた。その彼が変わろうとする覚悟と決意が存分に見られます。

最大の功労者
 そしてレオ以上に輝いていたのが、ラインフェルト公爵。第一皇女リーゼに長年求婚し続けている人で、アルに「彼なら義兄でもいい」と言わしめる程。それだけで如何に傑物かが分かる。詳しく描かれなかったこの後日談、次巻以降で見てみたいものです。

既刊感想:

カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています2

[著者:御宮ゆう/イラスト:えーる/角川スニーカー文庫]★★★

『女友達』
 今回は彩華がメインの回。悠太とは高校時代からの付き合いで、関係は『友達同士』。これを耳にして、「いやいや絶対に恋愛感情込みで異性として意識し合ってるでしょ?」ってなったりするわけですが、その安易な指摘は見事に吹っ飛ばされました。

奥深さが心に響く
 悠太と彩華の関係性は、想像以上に複雑で深い。高校時代の二人の過去回想によって、外野が軽々しく踏み込んではいけない領域だと思い知る事になりました。付き合っているとか恋心を抱いているとか、たとえ外側からどんな風に見えたとしても、『本当の関係』なんて当人同士にしか分からない。友達か恋人か、容易く男女関係の感情に答えを出す事は出来ない。奥深い語りがとても印象に残りました。

既刊感想:

戦翼のシグルドリーヴァ Rusalka(上)

[著者:長月達平/イラスト:藤真拓哉/角川スニーカー文庫]★★

同名アニメの先行小説版
 2020年7月放映開始予定のアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』の前日譚。アニメ公式サイトにストーリーや登場人物などが掲載されているので、小説版とアニメ版の違いをチェックしたり、この前日譚がどの様に繋がって行くのかを想像しながら読んでみると、一層楽しめるのではないかと思います。

神に与えられた力を持った空戦のワルキューレ
 小説版の主人公は女性パイロットのルサルカ。神に与えられた特殊な飛行操縦能力を駆使して、仲間達と共に世界を脅かす謎の異形と死闘を繰り広げるストーリー展開。一度空での戦いを降りたルサルカが、どんな想いで翼を捨て、再び翼を取り戻して行くのか? 彼女の苦悩や葛藤、決意や奮起など、様々な変化を見せる心理描写が一番の見所です。