SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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五月はピンクと水色の恋のアリバイ崩し 私立霧舎学園ミステリ白書

[著者:霧舎巧/イラスト:西村博之/講談社ノベルス]★★

 あー成る程。毎回違う『テーマ』を用いて事件に関する『謎』を描いてゆく、という流れなのか〜。

 四月は密室、この五月はアリバイ崩し。でも仮に一年ひと回りの十二ヵ月分でシリーズ展開するとして、事件に絡んだネタってそんなに沢山あるもんなのかな? 途中でネタ切れしないだろか……とか何とか、余計なお世話的心配を抱いてみたりも。

 まあその辺は始まったばかりで気にしても仕方ないから置いといて今回の事。端からあまり謎解きをしようとしない私みたいな消極的へっぽこミステリ読みでも、自然と考える気を起こさせてくれる馴染み易い内容なのは前巻同様(それでも謎解けず真相にも辿り着けない……)。すんなり行かず、最後に棚彦が一捻り加えてくれたのも良かったなと。

 琴葉の気持ちはまだ『伝説』の効力で後押しされている状況かなぁ? 多分倫子ママが勝手に盛り上がって先走りし過ぎているせいもある。棚彦を“好きにならなきゃいけない”という強制的な雰囲気。だから何となくの違和感。これは徐々に解けて行って欲しいな。

既刊感想:四月は霧の00密室