[著者:宇野朴人/イラスト:竜徹・さんば挿/電撃文庫]★★★

- 作者: 宇野朴人,竜徹,さんば挿
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 文庫
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帝国北域への遠征。最初はイクタ達に現場での実 戦経験を積ませるのが目的でしたが、北方民族シナ ーク族の侵攻が切っ掛けで北域鎮台との戦争が勃発 し、その戦いの最中に身を投じる事となります。 帝国内の反乱分子鎮圧のような戦いは表向きの見 え方で、裏ではシナーク族に肩入れしたくなる程の 北域軍上層の薄汚さと無能な愚かさが際立ってた感 じです。殆どが司令長官サフィーダ中将の事を指し てるのですが、その中での最たる罪であるシナーク 族の精霊捕獲・監禁の実態をイクタが目の当たりに した時は、もしかしたら彼はシナーク族が優位に立 てるように動くのでは? と思ったりもしました。 実際にはそこまで大胆に考えを巡らせる余裕も無 い程、過酷で凄惨な戦いの連続でした。開戦前に準 備期間がもっとあって、シナーク族と帝国北域の現 状をイクタが掴んでいたら、もしかしたら味方も敵 も大量の犠牲者を出さずに済んだかも知れません。 そこまでの期待をどうしてもイクタに抱いてしま うんですよね。ただ、最後の状況は、さすがのイク タでも絶望する程これまで以上に厳しいものがあり ます。この劣勢な戦況を覆す事が出来るでしょうか。 既刊感想:I