[著者:秋田禎信/イラスト:椎名優/富士見ファンタジア文庫]
フリウ編最終巻&シリーズ最終巻。フリウ編で知りたかったのはたったひとつ、『精霊アマワとは何か?』についての回答です。最終的にフリウが辿り着いた『答え』に納得出来たかと言えば、結局は「何となくこうだったかなあ?」の曖昧な手応えの域は出られなかったような気がします。
突き詰めて考えて行くと、精霊アマワの言おうとしている事とフリウとの言葉のやり取りの中に、どうしようもない難解さを感じてしまったから、明確な答えが掴み難かったと言う事だったのかも知れません。でも、「何もかもが分かんねえ」と頭を抱えてた頃に比べれば、フリウが到達した場所には納得の行く真実がしっかりと込められていたように思いました。
最後に物語全体を通して。『二人の主人公の物語』としての交互の展開でしたが、お互いに見えない所で影響を与え合いつつも、どこまで行ってもそれぞれに独立した『“一人”と“もう一人”』を描く事を徹底して貫いていた物語だったかな、と言う印象でした。