SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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筺底のエルピス ―絶滅前線―

[著者:オキシタケヒコ/イラスト:toi8/ガガガ文庫]★★

確定された未来
 圭が鬼の“封伐”の為に潜った“門”の先でその事実を初めて知って、思わず言わずにはいられませんでした。「何の為に戦わなければならないんだろう?」と。少しでも未来を延命させる為には、彼等がやるしかないのは分かっているんですけどね。

それでも微かな希望はあるのか
 終盤で圭がもう一度門を潜った際、タイムリミットが僅かに延びていた事は良い意味と捉えて良いのかどうか。第五段階の鬼の討伐と、叶の成長、それだけが要因ではないでしょうけど、これが門を潜る度に延びて行ってくれたら、と思わずにいられませんでした。

『白鬼』と結
 現状で解決策が無く、現状維持のまま放っておくしかない所が本当に怖いです。破滅の条件がハッキリ提示されているので余計に。あまり考えたくないですけどね、初っ端からフラグとか……。

叶の『蝉丸』の真価
 これってもしかしたら『殺戮因果連鎖憑依体』の特効になり得るのでは? 通常、完全消滅までには幾つも手順を踏まなければならない所を、現場で即断ち切る事が出来るのでは……とか思ったりもしましたが、どうでしょうね。