SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

筺底のエルピス2 ―夏の終わり―

[著者:オキシタケヒコ/イラスト:toi8/ガガガ文庫]★★★

第3の機関『THE EYE』
 圧倒的な戦力差を誇示しながらの『門部』への侵略。『ゲオルギウス会』も含めて、同じ“世間に蔓延る鬼を討伐する”目的を掲げている筈なのに何故……? って気持ちはとんでもなく甘っちょろいもんだった、と後々思い知らされる事に。

青鬼
 身内に潜んでいて疑心暗鬼に陥りながら、対青鬼専門の霧島さんの素性に「ええええっ!?」ってなって、そこから更にTHE EYEの潜伏者が絡んで彼等がやっている事に驚愕させられて……中盤以降の展開はめちゃくちゃ目まぐるしく変化が続いて、ついて行くのが結構大変でした。

絶望的な状況からの反撃
 THE EYEの能力者達が揃いも揃って「何やっても無駄無駄」とか言い切っていて、実際に戦力差が絶望的に開いていたので、しかも門部中枢があれだし。正直途中で「詰んだ……」って諦めかけてしまいましたよ。それでも諦めずに覆そうとする意志の力は凄まじかったですね。

崩壊寸前
 踏み止まりはしたけれども。第3の機関はこれで引いてはくれないだろうし、確実に奥菜正惟が攻め入って来るだろうし。こちらは門部中枢への再到達が勝利条件なのでしょうかね。ただし、その道程は地獄へと続いていて辿り着くのが不可能に近くて果てしなく遠い……。

既刊感想: