SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

このぬくもりを君と呼ぶんだ

[著者:悠木りん/イラスト:仲谷鳰/ガガガ文庫]★★

第14回小学館ライトノベル大賞『優秀賞』受賞作
 環境破壊で住めなくった地上を捨て、人類は地下都市に新たな安住の地を求めた。全て地上の模倣=フェイクで構築された世界の中で、『まがい物』たちに違和感を覚えるひとりの少女。彼女と、もうひとりの少女が運命の出会いを果たした時、フェイクの中に『リアル』を渇望する二人の物語が始まる。

リアルへの渇望と抑えられない衝動
 地上の『リアル』を知らなければ、地下都市のフェイクこそ『生まれ育った人達のリアル』になる筈。その点でレニーの方が異端で、彼女は何故リアルを渇望するのか、何がそこまで突き動かすのか、色々考えさせられました。『太陽の欠片』との適合も説明のつかない何かがありそうで、レニーの中にまだ謎な部分が残ってるのかなって気もしますね。