[著者:悠木りん/イラスト:サコ/ガガガ文庫]
「この子なに言ってんの?」
つむぎがしおりに話した『提案』に対して思ったこと。「よく分からないことを言っているな」って気持ちからではなくて。しおりの『夢』を断念させたのはつむぎの方なのに、その本人がなんでまた掘り起こすようなこと言ってるの? 正直、ちょっとした不快感からの気持ちでした。
そこら辺は、まあ結局は思い違いだったわけで。つむぎに土下座するほどの勢いで頭下げてましたけど。それだけ、つむぎが本心を奥深くに隠すのが上手かったのかなと。長い付き合いのしおりでさえ見抜けませんでしたから。
あと、ラストシーンのこの状況がどう捉えればいいのか? ちょっとだけ困りました。多分そうなんだろうな、と確信に近い描写だったとは思うのですが……ただ、好きかそうでないかを言うなら、好きな描き方でした。この物語の雰囲気にピッタリなラストシーンだったと思います。