[著者:菊石まれほ/イラスト:野崎つばた/電撃文庫]★
アミクス(人型人造ロボット)の『心』って、一体何だろう? この疑問に対し、今回の事件を経てエチカが深く関わって行く。彼女の補助官であり、『電索官』としてのパートナーであるハロルドとの関係性にも、様々な葛藤が生まれてしまいます。
ハロルド達『RFモデル』と呼ばれる、上位個体の開発者であるレクシー博士であっても、アミクスの心の深淵は『ブラックボックス』だと述べ、真実までは理解に及んでいない。ハロルドのそれは『人間に作られた心』なのか、それとも『自我が生まれた心』なのか。誰にも見通せない複雑さが含まれた、とても興味を惹かれる奥深い描写でしたね。
エチカに対するハロルドの感情変化を見た限りでは、決して『作られたもの』ではない心に感じられましたが。大事なのは、多分それを二人がどう受け留めて行くか。パートナーとして、いずれ互いに向き合わなければならない時が来るのかも知れませんね。
既刊感想:I
ユア・フォルマII 電索官エチカと女王の三つ子(2)
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菊石 まれほ/野崎つばた KADOKAWA 2021年06月10日