SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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女子高生の放課後アングラ―ライフ

[著者:井上かえる/イラスト:白身魚/角川スニーカー文庫]

 初っ端から主人公の少女が陰湿ないじめを受けているのを見て、「やべぇ話に足を踏み入れちまったかな」とか、ビクビクしながら読み進めてました。

 でも、偶然の流れであっても、地獄の苦しみを早い段階で断ち切れたのでホッとしました。読む前に感じていた雰囲気的に、そんな鬱展開にはならなさそうだと思ってたのに、いきなりこの冒頭でしたから。まさか東京から大阪の距離で加害者どもに遭遇する事はないだろうから、その辺は安心ですね。

 主人公・めざしの踏み込めなさにもどかしさを感じつつ、気にせずグイグイ来る椎羅に戸惑ったり。そして、椎羅の友達の凪や明里を加えて、『釣り』を通じて新たな関係性を見守って行く展開でした。

 なんか、過去のめざしの事を思うと、「良かった」って気持ちしか浮かんで来ませんでした。本当に「良かった、良かったなあ」を繰り返してばかりで。

 まだ若干のぎこちなさはあるけど、それは過去の心の傷やめざしの性格的なものが影響しているだけであって。椎羅達ともっと交流が深まれば、自然な友達付き合いが見られるようになる、と思いたいですね。