SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

宅録ぼっちのおれが、あの天才美少女のゴーストライターになるなんて。

[著者:石田灯葉/イラスト:葛坊煽/角川スニーカー文庫]

 高校生たちの、音楽制作とバンド活動の物語。音楽制作そのものよりも、音楽を通じての人間関係とかそれぞれに抱える事情の交わりとか、そう言ったものがより前面に出ていたかなあと思いました。

 個人的には音楽制作の行方が気になっていましたが、展開としてはバンド活動の方に比重が置かれていたかなあと。この辺は好みの問題ですが……拓人の作曲、由莉の作詞、そして歌唱の天音、彼らの創作部分の方ももっと見てみたかったかな? と言うのが正直な所でした。

 ただ、創作に悩み恋に悩み、みたいな「青春してんなあ」って雰囲気は存分に感じられたので良かったです。まだそこまで踏み込んではいないですけどね。天音が自身の好意感情を更に自覚して、拓人がより意識するようになって、沙子がクールにやきもきするような展開が盛り上がれば、また面白味も増して来るのかなと。