SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました1

[著者:らる鳥/イラスト:しあびす/アース・スターノベル]

 地球生まれの異世界転生者が、記憶所有でハイエルフになってエルフ生活に飽きて世に出て、世界をあてもなく放浪するお話。主人公のエイサー以外はほとんど固定の脇役キャラが存在せず、『一期一会』な交流の仕方で時間の経過がとても早い印象でした。この辺り、特に数千年生きるハイエルフの性質を存分に際立たせた内容だと思いました。

 あと、会話文は割と控えめで、エイサー視点での一人語りな地の文が多めなのもこの物語の特徴の一つ。時間の経過の早さに対して、話の進むペースは結構ゆっくりで時間が掛かる感じがしました。つまり、エイサーの言動や思考や感情的な部分をじっくり堪能出来る、と言うわけです。

 基本的には流浪の旅ですが、行く先々で『何か技能を習得して行こう』みたいな気持ちも抱いている。長い長いハイエルフ人生の中で、一体どんな経験をどれほど積み重ねる事になるのか。その中でどんな出会いと別れがあり、今後あるいは再会を果たす相手が現れるのか。想像を膨らませるとわくわくして来ますね。