SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版3

[著者:秋田禎信/イラスト:草河遊也/TOブックス]

・我が過去を消せ暗殺者(富士見ファンタジア文庫版 第5巻)

 『牙の塔』へ到達。『牙の塔』と言う魔術士の本拠でもあり、『牙の塔』を含んだひとつの“訳ありな”街でもある、と言う事が判明する。オーフェンは、なんか相変わらず命懸けで騒動に巻き込まれていました。牙の塔へ近づく程に、かつて彼が『キリランシェロだった頃』の影響が拡大しているような、そんな印象でした。

 今回の大きな謎は、オーフェンが対峙して命を狙われた『キリランシェロ』とは一体何者か? まさかオーフェン本人ではあるまいし……と、いったいこの謎をどう解いて決着付けるのか興味津々でした。真相は彼女……もう名前出していいのかどうか、アザリーの暗躍。彼女の真意は今の所は全く伺い知れません。

・我が塔に来たれ後継者(富士見ファンタジア文庫版 第6巻)

 『牙の塔』内部事情編、とでも言うべき内容。前回エピソードからの続きみたいなものでした。魔術士と敵対関係にある、ドラゴン信仰と、キムラック教会とが絡んだごたごた……なのでしょうかね。ここに牙の塔の魔術士達の過去からと現在の面倒な事情が絡み、更に何かを為そうとしているアザリーの暗躍と思惑が混じって、だいぶ複雑に糸が絡まり合っているような印象でした。

 オーフェン自身は、何となく自発的に自主的に動けていないと言うか、急襲者の刺激を受けて初めて強い衝動に駆られていると言うか。後手後手に回らざるを得ない所が毎度歯がゆく感じたりもします。まあオーフェンは過去の因縁との関わりを全く望んでいないので、本能的に避けたい気持ちから受け身になってしまうのかも知れません。

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