SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

小説の感想を日々書き連ねるブログ

アオハルデビル

[著者:池田明季哉/イラスト:ゆーFOU/電撃文庫]

 『悪魔が憑く』原因は、憑かれた人間が強烈な“何かの願いを叶えたい”思いを抱いた時で、その憑いた悪魔の特性を用いて周囲を犠牲にしてでも憑いた人間の願いを成就させる、と言ったもの。

 悪魔の呪いを『解除』するには、憑いた人間の『本当の願望を探し当てて、悪魔より先に“自らの力で”願いを成就させる』しかない。主人公の有葉が悪魔払いのエクソシスト役、ヒロインの衣緒花が願望を持った悪魔憑きです。

 衣緒花が抱いた“本当の願望”とは一体何か? この『本当の』と強調している辺りが厄介な所で、表向きの様子からは見通せない『願望の正体』と言うものに振り回され、その答えに辿り着くまでの有葉の立ち回りや衣緒花との交流はとても見応えのあるものでした。

 それにしても、そもそも『人間に憑く悪魔』って何なんでしょうね? 誰にどんな条件で憑くのか、その辺りの事がまだハッキリしていないのがちょっと気になる所でした。

 あと、有葉のエクソシスト適性は、衣緒花のだけ発揮されたものなのか、それとも誰にでも働くものなのか、次の展開で見極めたいですね。