SIDE ONE ~小説の感想を日々書き連ねる~

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戦うパン屋と機械じかけの看板娘10

[著者:SOW/イラスト:ザザ/HJ文庫]★★★

シリーズ完結
 可能性が提示された、機械であるスヴェンが人間になる方法とか、暗躍する“聖女”とはそもそも一体何者なのか、とか。残された謎や疑問を解き明かして行く最終巻。

神と聖女と悪魔
 過去にこの世界で起こった事を解説しつつ、“聖女”の正体とマイッツァーとの関係、そしてスヴェンとの関係を描きつつ結末まで導いて行く展開。大分凝縮されていましたが、伏線は回収され、謎も疑問も全て解き明かされ、語るべき事は語り尽くされたと思います。

スヴェンが“人間”になる事
 最も関心を抱いていた所でしたが、マイッツァーに聞かされた時は「え、そ、それでいいのか?」とか思ってしまいました。去り際の捨て台詞じゃないけど、ここまで辿り着いたのならもっと詳しい説明を頼むよ、と。本当はそうなった瞬間のスヴェンとルートの姿も見てみたかったんですけどね。

その店の名は『トッカーブロート』
 それでもラストのシーンを見て「ああ、そうなれたんだな」って知る事が出来たのは幸いでした。二人の事は第三者の伝聞でしか把握出来ませんでしたが、行く末を案じて幸せを願い送り出した皆の気持ちが最後に、胸にじんわりと染み入りました。

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